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④「スクールカースト」の罠 観点別評価が…

「観点別評価」がカーストの固定化を促進

さて、このコラムでも問題にしたことだが、現在の学校での内申などの評価のシステムというのは、93年くらいから、「観点別評価」というものになっている。要するにいろいろな教科についての評価をペーパーテストで測られる「知識・理解」だけでなく、「関心・意欲・態度」や「思考・判断・表現」などのようないくつかの観点で評価しようという考え方だ。それによって、たとえば手を何度も挙げたり、積極的に教師に質問をしたりするような子はペーパーテストの点が悪くとも「関心・意欲・態度」で高い評価を受けることができる。

 私は、この評価があまりに教師の主観が入りすぎる(教師の側はなるべく客観的にしようとするが、生徒の側はそう感じてしまう)ことや、そうでなくても人目を気にする子供たちを余計に気にさせることになるので、ずっと反対を続けてきた。

 ただ、今回の鈴木氏の講演を聞いて、この評価システムの導入で、生徒の意欲ややる気を引き出すどころか、カーストの固定化をさらに促進することになるということに気づいた。

 意欲や態度が評価されれば少しでもましな内申点が取れるとわかっていても、自分たちは教室でそれを表明する「権利」がないと思っている(そのため彼らは低い評価しか得られない)上、カーストが上位の人間がクラス内での発表者などの役割を引き受けるのだから高い評価を受ける。

 結局、カーストが低い人間は、不本意な進学という結果になり、余計に自己否定が強まることだろう。もちろん、高校に上がれば上がったで、新たなカーストができるから、その中で、下位のカーストから上位に上がる人間もいるだろうが、勉強はできるが意欲がないとみなされた生徒より、勉強ができないが意欲があるとみなされた生徒のほうが、次の学校でもカースト上位になる可能性が高い。要するに低いカーストの人間は多少勉強ができても這い上がるチャンスがなくなってしまうのだ。