「いじめ繰り返し」 元少年に懲役８年

大阪府河内長野市の公園で昨年６月、同級生だった専門学校生、工藤勇人さん＝当時（１９）＝に暴行して死亡させたなどとして、傷害致死などの罪に問われた元少年（２０）＝奈良県田原本町＝の裁判員裁判の判決公判が２７日、大阪地裁堺支部で開かれ、森浩史裁判長は懲役８年（求刑懲役１２年）を言い渡した。

　判決理由で森裁判長は「いじめを繰り返し、身勝手極まりない。暴力に対する抵抗感が欠如している」と指摘。「被害者は長年、理不尽な暴力を振るわれ続けた揚げ句に命を奪われ、無念さは察するに余りある」と述べた。一方、死亡につながった直接的な暴行は、別の元少年（２０）＝傷害致死罪などで懲役９年確定＝が加えたとした。

　判決によると、２人は昨年６月８日、工藤さんに暴行を加えて急性硬膜下血腫などの傷害を負わせ、７月４日に死亡させた。

　閉廷後、工藤さんの母親（５６）は「８～９年たてば普通に生活できる。息子の苦しみに比べたら短いとは思うが、しっかり反省してほしい」と話した。