どうして止められないの? 子どもが「いじめの傍観者」になるワケ…
【ママからのご相談】
子どものクラスでいじめが起きています。うちの子は、加害者でもなければ被害者でもない立場です。
しかし、“傍観者”の立場であることが、親としてはいいことだとは思えません。
親として、“傍観者”である子どもに、何を言えばよいのでしょうか。言葉が見つからないのです。
●A. “止められない心理”を理解して、向き合うことを促しましょう。
こんにちは、ライフライターの鍋谷萌子です。
いじめの問題はなかなか根深いものですね。痛ましい事件もありますし、決して見過ごすことのできるものではありません。
しかし、いろいろな学校で起こっているのも事実です。
今回は、『傍観者』の立場から、この『いじめ問題』に向き合っていきましょう。
●「いじめをしてもよい」と思っている生徒は5%以下
奈良県が行ったアンケートの設問のなかに、『いじめをどう思うか』というものがありました。
これについて、『いじめてもいいケース(とき)がある』と答えた層と、『いじめはしてもよい』と答えた層をあわせた数字は、わずか全体の5%以下でした。
95%以上 の層が、『絶対にあってはならない』『いじめはしない方がいい』と答えています。
もちろん、これはあくまでアンケートです。アンケートに、『してもよい』と書く層というのは少ないでしょう。
しかし、多くの生徒が、“いじめは望ましくないものである” ととらえているのは確かです。
●“傍観者も加害者”は本当か?
いじめにおける傍観者の立場を論じるとき、しばしば、“傍観者も加害者と同じだ” という意見が出てきます。
これは確かに一面の真実でもあります。なかには、いじめを面白がっている子どももいるでしょう。
ただ、上のアンケート結果と照らし合わせて考えるなら、このように断言するのは、いささか乱暴であるように思われます。
いじめを傍観している生徒の多くは、「止めたら自分がターゲットになる」という恐怖感を持っているのではないでしょうか。
実際、仲裁した子どもにターゲットが移り変わり、その上かつてのいじめられっ子は新しいターゲットをかばうこともしなかった、という例はいくらでもあります。
●“見ている苦しさ”を理解したうえで現実的な対処方法を模索する
子どもにとって、学校生活は一日の大半を占める場所です。
その子どもに対して、「傍観者は加害者だから、何があってもいじめをとめろ」「正義は勝つから、必ずいじめを仲裁しなさい」と話すのは、正論ではありますが、現実的ではありません 。
このような場合は、まずは、“見ている苦しさ”を理解してあげてください。
その上で、自分では止められなくても、先生や第三者に相談する方法や、メールなどでいじめられている子をフォローするなどのやり方を教える方がよいのではないでしょうか。
また、いじめられている子自身の親などに、匿名で連絡する方法を伝えるのも一つの手です。
いじめの解決方法に、『唯一』はありません。学校と保護者も連携し、対処策を模索するのが望ましいでしょう。
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