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仙台いじめ自殺市や教委の不適切な対応

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教育委員会制度の改革を目指す改正地方教育行政法の施行から4月で1年。いじめ対策の強化も主眼だったが、仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=がいじめを苦に自殺した問題では市や教委の不適切な対応が指摘された。新教委制度の理念は生かされたのか。問題を検証する。

文科省怒り心頭>
 2015年11月、文部科学省義家弘介文科副大臣は大越裕光仙台市教育長に鋭い視線を向けて切り出した。
 「消えた命への誠実(さがあったかどうか)を重く受け止めている」
 大越氏は沈痛な表情でうつむいた。
 男子生徒が自ら命を絶ったのは新教育委員会制度導入前の14年9月。しかし、同年7月には既に文科省が新制度の概要を全国の教委に通知し、いじめ対応を強化する方針も示していた。
 市教委が臨時委員会を開いて自殺を初めて議題にしたのは、発生から約2カ月後の11月19日。この間に市教委は3回定例会を開いているが、ホームページ(HP)の議事録に自殺関連の記載は一切ない。臨時委に至っては開催事実すら掲載されていない。
 「意思決定機関の教委で方針を決めないまま市教育局が対応した」「子どもを守るための教委制度改革なのに、しっかり運用されなかった」。新制度の設計に深く関わった義家氏は怒りを隠さなかった。
 ただ実際は委員の内諾を得ていた。当時、市の教育委員長だった永広昌之東北大名誉教授は「随時報告され、委員会のたびに進展状況を聞いた」と明かす。

<議事録掲載せず>
 河北新報社は1月、臨時委の議事録と定例会での自殺に関する報告や委員の意見交換に関するメモ類を市教委に情報公開請求した。その結果、浮かび上がったのは不透明さと空白だ。
 「特第1号議案」。自殺に関する調査を第三者委員会に諮問する臨時委の議題の名称だ。秘密会だったため、通し番号が付される通常の議題とは別扱いにされた。遺族は当時、事案の公表を望んでおらず、永広氏は「公式ルートに載せるわけにはいかなかった」と理解を求める。
 文科省は14年7月の通知で「教委の会議の議事録を作成し、HPなどで公表することが強く求められる」との見解を示し、改正地方教育行政法でも「教育長は遅滞なく議事録を作成し公表する」との努力義務を新たに設けた。
 新教委制度から1年。市教委のHPには今も臨時委の議事録が載ってない。定例会3回の関連文書に関しては市教委が2月、不存在を理由に非開示決定した。教委の議事録に自殺に関する記載が出てくるのは、自殺の事実を15年8月21日に公表した直後の同24日の定例会からだ。
 結局、男子生徒の自殺から公表までの約11カ月間、市教委で自殺問題がどう話し合われたかは不明のまま。事実を伏せ続け、学校の生徒や保護者らの不信を招いた市教委の対応を検証するすべはない。

【新教委制度の要点】
▽教育委員長と教育長を新「教育長」に一本化し首長が任命
▽首長が招集する「総合教育会議」を創設し教育大綱を策定
▽いじめ自殺などの防止のため国から教委への是正指示が可能に
▽総合教育会議と教委の議事録は速やかに作成・公表