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子どもを取り巻く「ネットいじめ」のいま

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小中学生がスマホを使いこなす時代。一方で、メールやSNS、コミュニティサイトなどを介した“ネットいじめ”のニュースを目にすることも増えてきました。過去には、ネットいじめや中傷を苦にした自殺も発生しています。

もちろんL25世代が小中学生だった頃にもいじめがなかったわけではありませんが、ネット空間で起きるいじめというのはなかなか想像しにくいもの。特にこれから子どもを産む可能性のある女性にとっては、気がかりな問題のひとつです。

子どもを取り巻くネット事情に詳しい千葉大学教育学部の藤川大祐教授によると、スマホ時代の小中学生のいじめの手法は、LINEの出現によって変化が生じているとか。

「LINEの登場で、グループチャットが可能になったことの影響は大きいです。これまでオンライン上には、3人以上のグループでコミュニケーションを取り続けるという場所はあまりありませんでした。特に女子に顕著ですが、いくつものLINEグループに入っており、“既読スルー”と言われない程度に返事をしたり、空気を読みながらチャットをしたりするわけです。そうすると、グループチャットの流れに調子を合わせない子は、『自己中』や『空気が読めない』とみなされてしまい、いじめの対象になりかねません」(藤川教授、以下同)

たとえば、無料のスタンプばかりを送っている、皆が買っている有料スタンプを買わないというだけで、「空気が読めない」と思われる可能性があるのだそう…。

「そうしたグループでは、いじめる側の子の論理に、周辺の子たちが空気を読み同調します。すると、いじめている子は『いじめる』という感情が肯定されて、さらにエスカレートしてしまうのです」

さらには、異性問題もいじめにつながることがあるという。

「中学生くらいになると、子どもたちの間での三角関係や浮気などの問題は珍しいことではなくなります。真偽のほどは置いておいたとしても、仲良さそうにしているところを撮影して、『証拠写真を撮りました』とSNS上に写真がアップされ、それが発端となりいじめに発展することもあります。ただ、恋愛関係のいざこざは、L25世代の方々も中学生くらいの時に経験されているのではないでしょうか。こうしたきっかけについては、思春期の青少年にとっては珍しくないことですが、やはりスマホ時代になって過熱しやすい状況が整っているのだと思います」

いつでも連絡を取り合えるだけに、逃げ場がなくなってしまううえ、大人であれば適当にやり過ごせそうなことも、学校という狭いコミュニティで生きる子どもにはスルーすることが難しいのかもしれません。ちなみに、個人差はあるものの、特に女子は“つながり”に依存しやすい傾向にあることも、問題を大きくしてしまうと藤川教授は指摘します。

SNSのやり取りは物理的に離れていることを意識しにくく、距離感が濃密になってしまいます。しかし、人間関係において一定の距離感を置くということは、人間関係をこじらせないためにも必要。親世代からすると、『スマホばっかりいじって』と小言も漏らしたくなりそうなものですが、前提として昔とスマホ時代の子どもたちとでは、友人とのコミュニケーションのあり方が変わっているということを理解しておいた方がいいでしょう」

だからといって放置するのではなく、大人が人生の先輩として、時には人付き合いについてアドバイスすることも大事だと言います。

「もし、『すぐにレスがこない』とか『スタンプをプレゼントしてくれない』と言って陰口を叩く友達がいたら、『親にスマホの利用を制限されている』と、親のせいにしちゃえばいい。時には嘘も方便。特にSNSでは相手の気持ちを認めたうえで、やんわりと断ったり、かわしたりする術も必要です。相手を尊重していることが伝われば、よほどひどい友達でない限りは、『あの子空気読めなくてムカつく』とはならないはず。相手を傷つけないようなコミュニケーションをとることも学びのひとつです。これから親になる方たちには、そうしたことを子どもに伝えていってほしいですね」

人とはちょっと違う要素を持った子が排除されやすい、というのは昔からよく聞く話。どうやら、いじめの本質は変わらないようですが、新たなツールの登場によってリアルな場のいじめに、新たな“手法”が加わったという理解が正しいようです。こうした時代に生きる子どもたちをいじめから守るには、親世代も、他者との望ましい距離感やコミュニケーション方法を見出すことが必要なのかもしれません。