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ネットは、「いじめ自殺防止」の武器になる!

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失われる命を救うためにやるべきこと

失われる命を、「ネット」で救えることがある

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いじめで失われる命を、「ネット」で救えることがあります。このことをひとりでも多くの方に知ってもらうため、今回はネットといじめについて書かせていただきました。

先日、ある学校での講演後の出来事でした。生徒達が教室に戻り、後片付けをしていたら、ひとりの生徒さんが声をかけてきたのです。おそらくほかの生徒がいなくなるのを待っていたのでしょう。

「実は、学年の全員から……」 あとは涙で言葉が続きませんでした。自分がいじめを受けているという内容。実はこのような相談は珍しくありません。

講演中の質疑は、「ネット以外でもいいよ、何を聞かれても答えるよ」と宣言してからやっているので、講演後に、こっそりいじめの相談を受けることが多いのです。そして毎回、本当に胸がつぶれる気持ちになります。

相談の内容はもちろんですが、それを見ず知らずの他人に打ち明けている生徒の気持ちを思うと、本当に辛くなるのです。

そもそもいじめの被害者の中には、「まさか自分がいじめの対象だなんて」と、その事実を受け入れないように頑張っている子が、少なくありません。「これは違う、今だけ、ちょっとだけだ」。必死にそう思い込もうとしているのです。

そうまでして認めたくない事実を、見ず知らずの他人に、気持ちを振り絞って自分の口から伝えている様子が、本当に辛いのです。

ネットでの誹謗中傷、暴力、物を隠される、金銭の要求……多くの場合、いじめは犯罪行為です。いじめ=犯罪の被害者と加害者。「教育現場で起きている問題を犯罪と呼ぶなんて」と思われるかもしれませんが、被害者のいる犯罪を「学校での教育問題」ととらえている間は、いつまでたってもこの問題が前に進まない気がします。

最も大事なことはいじめによる自殺の阻止

いじめの問題を前進させるためには、この問題を分解、分類して、優先順位をつける必要があります。この問題の中身は、

①いじめる側への指導、いじめ再発防止

②いじめによる自殺の阻止

この2つに大きく分類できます。そして優先順位。優先されるべきは、言うまでもなく……圧倒的に②です。だって人の命が失われるんですから。

いじめる側にも、親の問題、その子の生活環境など、気の毒な要因があるのかもしれませんが、少なくとも、そのいじめが原因で「いじめっ子」本人が死ぬことはありません。だから、その子に対する「ケアや更生」は後回し、優先順位は低くて良いはずです。

いや、どちらも同時に取り組めて、結果も出せるなら、そもそも優先順位なんてつける必要はありません。でも学校でのいじめは、私なんかが生まれる前からずっと続いているんです。

これだけ年月をかけても根絶されていない問題、しかも大人の世界にだって存在する問題。これを解決するって、とんでもなく難しい挑戦だと思いませんか? 少なくとも私は、「いじめの再発防止」という言葉を軽々しく使いたくありません。

でも、学校の先生が「いじめは無くせないかもしれない」と口にすることは、恐らく世間が許さないでしょう。だから、代わりに言わせて下さい。

「いじめはおそらく根絶できない、あるいは根絶にとんでもない時間がかかる問題です。でも、それまでに命を絶ってしまう子どもがいるのです。だからいじめ撲滅は“後回し”にして、何よりもまず、いじめで死を選んでしまう子どもをひとりでも減らす取り組みを優先しませんか?」

冒頭でいじめの相談に来てくれた生徒さんは、「学年全体から~」と言っていましたが、おそらく事実ではないと思います。もちろん彼が嘘をついているわけではありません。彼は本気でそう思っているのです。いじめの被害者は、たいてい、コミュニティ内での情報が断絶された状況にあります。つまり誰が味方なのかもわからないのです。そんな状況で、

「あなたは私の味方? それとも私が嫌い?」

なんて怖くて聞けるわけないじゃないですか。私は、学校から「いじめについて話をしてくれ」と依頼された時には、いつも必ずこんな話をしています。

「味方だ」ということを伝える

「いじめはしていない、でも見ているだけの人に、ひとつだけお願いがあります。どんな方法でもいいので、匿名でもいいので、いじめられている人に、『わたしは味方だよ』 『嫌いじゃないよ』、とコッソリ伝えてあげてください。いじめられている子は、それだけですごく嬉しいのです。気持ちが楽になるのです。明日1日頑張れるのです」

「今はネットやSNSといった、便利な道具がたくさんあるじゃないですか。ネットはそういう使い方で、ものすごく能力を発揮するんです。道具はあります、あとは実行するだけです」

「私には、そういう人がいてくれました。当時はネットもSNSもありませんでしたから、そんな感じの紙が机に突っ込まれていたんですが、だからこそ今、こうやって皆さんにお話しすることができるのです。みなさんにも、同じようにして欲しいのです」

「それから、保護者の方にお願いがあります。実は以前、ある有名な政治家がマスコミを通じて、『いじめられている人は親に相談してください』というメッセージを発信したことがあります。私はそれを聞いて、“コイツ、何もわかってないな……”と非常に腹が立ちました」

家は「いじめのない空間」

「家にいる時間、家族と過ごす時間は、いじめを受けている子どもにとって、ものすごく大切な『いじめのない空間』です、本当に重要な空間なのです。だからこそ、その空間を卑劣ないじめごときに侵食されたくありません。ですから親には言いたくないのです。『なんで相談しなかったの?!』とは、聞かないであげてください」

私はネットいじめという言葉が嫌いです。なぜなら、そのいじめはネットのせいではないからです。だって、もし仮にこの世からネットが消えたとしても、多分そのいじめは起きているでしょう?

同じ理由で「LINEいじめ」という言葉も嫌いです。そういう言葉が問題の本質を見えなくすると思っています。ですが、ネットを使って起きるいじめは、いじめを受けている子の家の中まで入りこんで、家族と過ごす大切な時間さえも侵食します。だからネットによるいじめは許せません。

私は学校に呼ばれて、ちょっとの時間、話をして帰ってくるだけです。もし相談を受けても、その場でアドバイスをするだけで、その後は何もできません。助けられません。「あの子はあの後、どうなったんだろう」と、気になっている子がたくさんいます。どうかネットを、愚かないじめの道具ではなく、いじめから命を救う道具として使って下さい。

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