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いじめ9割解消 文科省調査結果に疑問??

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文部科学省は10月、2014年度に全国の小中高校などで認知されたいじめのうち、その後になくなったことを示す「解消率」が88・7%に上ったと発表した。都道府県の調査を基にした数字だが、深刻ないじめ被害を知る人たちは「これは本当か?」と受け止める。名古屋市の中学1年の男子生徒が自殺した問題でもいじめの潜在化が浮き彫りになった。過去のいじめで心を病み、大学を休学中の女性(19)=熊本県=は「そんな簡単になくなるはずない」と訴える。

 異変は高校入学から1カ月ほどで始まった。小学生を中心に流行したアニメが好きなことをばかにされてから周囲と溝ができた。「変わってるね」という言葉は、いつしか「キモイ」に。聞こえるように悪口を言われ、クラスの誰からも話しかけられなくなった。

 ある日、クラスの一人に呼び出され、「誰が嫌っているか教えてあげようか」と1人ずつ名前を挙げられた。仲が良いと思っていた子も含まれていた。

 インターネット上にひどい書き込みをされたこともある。教室に1人でいる自分の写真とともに「こんなやつとも仲良くしてやっている自分って優しくない?」との文字。悪化するのが怖くて「やめて」とは一度も言えなかった。先生に相談したが、まともに取り合ってくれなかった。

 進級してクラスが替わっても、一部のグループからは無視や悪口が続いた。もう、先生には相談する気にもならなかった。無事に卒業できたのは、中学時代の友人と恩師が励ましてくれたからだ。

 福岡県内の大学に進学し、新しい環境と人間関係に希望を膨らませた。だが、高校時代の記憶が何度もよみがえって不眠症に。夢にもいじめた子の顔が出てきた。精神的に追い込まれ、授業中に倒れたことも。今でも薬が手放せず、今春から休学している大学に戻るめどは立たない。

 「なぜ自分だけこんな目に遭わないといけないのか。なぜ先生は助けてくれなかったのか。悔しくて悔しくて…」。気持ちが楽になるのはいつだろうか。女性は、いじめが心に残す傷の深さを強調する。「いじめはなかなか終わらない。苦しみはその後も続く。学校はきちんと問題に向き合ってほしい」

 ●「解消判断あいまい」 都道府県で異なる基準

 文科省によると、どんな状態を「いじめが解消した」とするかの判断は、都道府県ごとに異なる。

 九州で最も解消率が高い熊本県は「被害者が心身の苦痛を感じなくなった状態」とする。最も低い長崎県は「被害者と加害者と双方の両親が解消と認めた場合」としている。認知件数が九州最多の宮崎県は、アンケートである程度の期間を観察して見極めるという。

 九州7県の解消率は8~9割。ただ、解消率の高さについて、いじめで自殺した子どもの遺族らでつくるNPO法人「全国いじめ被害者の会」(大分県佐伯市)の大沢秀明代表は「(1996年に自殺した)私の息子も殴るけるのいじめを先生に相談したが、けんかやトラブルとしか受け取られなかった。同じように、解決しないまま納得させられたり、なかったことにされたりする事例もあるのでは」と疑問を呈する。

 いじめの内容は小中高とも、冷やかしやからかい▽遊ぶふりの暴力▽仲間はずれや無視-が上位を占め、高校生ではインターネット上でのいじめも目立つ。

 九州大大学院の増田健太郎教授(臨床心理学)は「教員の指導で解決したように見えても、無視や仲間はずれに移行することはよくある。近年はインターネットなど教員から見えにくい事例も多い。何をもって解消したと捉えるかがあいまいだ」と指摘している。

この記事は2015年11月07日付で、内容は当時のものです。