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いじめニュース速報@イジ速

いじめ事件 ・イジメ ニュースを発信中!スマホいじめが増加!子供達をいじめから守ろう!

参考にしたい大津市のいじめ対策

滋賀県大津市のいじめ対策について、市議会文教委員会で視察した。平成23年に当時の中学2年生が自殺した事件から、市がどのような対応をとっているか伺った。

 大津市では、この事件による遺族と和解内容に学校・教育委員会の事後対応について謝罪するとともに、継続して再発防止策を実施することが条件となっていた。そのため平成25年に「大津市子どものいじめの防止に関する条例」を制定し、「大津市いじめの防止に関する行動計画」を策定し、いじめ防止対策を充実させてきている。
 武蔵野市も含めてだが、方針を策定しても、具体的な目に見える行動が示されないケースは少なくない。スローガンだけでなく、具体策がいじめたい策には必要であり、大津市の対応は多くの自治体で参考になるものだった。

 具体的には、教員への研修拡充だけでなく、市民会議を設置し地域が連携して対策を進めること。児童生徒への出前授業を行うこと。いじめ防止のための啓発月間を年に二回行うことなどだが、最も印象深かったのはいじめ担当職員を市の費用で配置していること。相談する側にたった相談体制を拡充したことだった。

■いじめ担当職員

 いじめ担当職員は、特定の教科担当を持たず、校内のパトロールや相談にあたる教員で、生徒指導の経験者を充てている。教員は県職員となり、いじめ担当職員を独自配置すると、その分の教科担当の教員に穴が開いてしまうが、市が独自に講師を雇用して担当をしているとしていた。
 教室や職員室だけではいじめが分らないこと。普段の様子からいじめの傾向を見つけ出し、いじめをしている子どもに注意をするなど早期対応でいじめを防ぐのが狙いだ。

 大津市では、いじめが起きているかなどを調べることも目的に子どもにアンケートを行っているが、そのアンケート項目に「いじめを解決するために、学校や学校の先生にしてほしいことはなんですか?」の設問があり、最も多かった回答が「いじめをした子どもに、しっかり注意する」が最も多かった(複数回答可で54.2%が回答)。

さらに同アンケートには、「あなたがいじめを見たとき、どうしますか?」の設問もあるが、ここの回答は「先生に言う」が最も多い 50.7% であったことも考えると、まずは先生の対応が必要あることが分り、「いじめ担当職員」は必要であることが分る。子どもが、自らいじめをしない意識となるのが理想だろうが、そう簡単には実現できないだろう。となれば、費用の課題があるとはいえ、いじめ対策としていじめ担当職員を配置することは参考になる事例だろう。

■いじめられた側にたつ相談窓口

 多くの自治体でもいじめの相談窓口を設置しているが、大津市では、常駐している相談調査専門員(市嘱託職員)が相談に乗り、相談した子どもの立場に寄り添って相談を受けるとしていた。
 このことは人間関係ができないと、本当のことを子どもが話せないことが多いからだという。ちょっとしたことで相談を受けることで、その背景にあるいじめが分ってくるとの考えからだ。
 話を聞くことで人間関係ができ、そのうえで相談した側が望めば学校と連絡を取り仲裁などを行うのだそうだ。

 例えば保護者向けの案内には「学校に行きたくないと訴える」「持ち物が頻繁になくなったり、汚れていたりする」「表情が沈んでいる」など少しでも気になることがあれば相談してくださいと書かれていた。
 いじめの対応で、相談された側が「あなたにも悪いところがあるでしょう。もっとがんばりなさい」と対応し、いじめを把握できずより悪い結果へ結びついてしまうこと。
 あるいは、いじめた側に譲歩が伝わり、よりいじめがひどくなる事を防ぐ対応ともいえる。

 相談場所は、電話だけでなく、学校や公共施設、自宅など相談者の希望の場所で行うとしていた。普段の生活の場所で何気なく話ができるようにとの配慮だそうだ。このことも多くの自治体で参考になるだろう。

■総合教育会議

 大津市の事件は、裁判になれば、教育委員会ではなく首長が最終的には責任を取ることになること。『非常勤の委員を中心とする教育委員会ではいじめなど等の問題に対して必ずしも迅速に対応できていない』(全国知事会のサイトから)ことなどから、教育委員会制度を変える法改正にもなった。

 法改正の結果、首長と教育委員会が協議を行う場として、総合教育会議を設けることになったが、武蔵野市の場合は年に4回の開催(平成27年度)だ。大津市は、年に17回開催している(27年度)。数が多ければ良いとは言えないが、この密接な関係には考えさせられた。事件があったからと言えるかもしれないが、教育委員会任せで良いかも多くの自治体では問われるのだろう。

 大津市の視察で最も印象深かったのは、教育委員会ではなく市長部局にいじめ対策本部があったことだ。事件があったからとも言えるのだろうが、全市をあげて対策をしないとなくせないと考えるべきだろう。心に刻みたい。