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いじめ生存競争で他者排除する「本能」を「理性」で抑えるしかない!?

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弱い立場にあるものを肉体的、精神的に苦しめる「いじめ」はよくないことだと誰もが知っているが、いっこうに減らない。

 そのために、2013年にはいじめ防止対策推進法が成立した。そのなかで、啓発や早期発見、相談体制の整備などが挙げられている。

 最も難しいのが、いじめの認定である。推進法ではその基準を『他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為』により『対象生徒が心身の苦痛を感じているもの』と明確にしている。

 物理的な問題とは暴力であり、ある意味わかりやすい。しかし暴力をいじめという曖昧(あいまい)な言い方に変えるより、犯罪として認識し、窃盗や恐喝と同様に事件として警察に通報した方がよいのではないだろうか? 加害者への教育的配慮も必要だろうが、スーパーでの窃盗を「万引」と曖昧な言葉で置き換えるようなものだ。

 暴力や恐喝のような形はまだわかりやすいが、精神的・心理的な影響、つまり言葉の暴力やネグレクト(無視)のようないじめの認定はかなり難しい。

 いじめの被害にあった方には大変失礼な言い方かもしれないが、生物には生存競争において他者を排除する本能がある。いじめはその本能が好ましくない形で表れたもので、いじめをなくすのは難しく、理性で負の部分をできるだけ抑えるようにしかできないのではないか?と私は思う。

 

精神的・心理的ないじめに関しては認定が難しいので、学校が一生懸命調査してもそのような兆候がなかったと報告することはよくある。事実を隠蔽して、認定しないのは論外であるが、大きな問題が見つからないこともあるだろう。こんな時はどう考えればよいのだろうか?

 会社や学校の人間関係の悩みで私の外来を受診する人も多い。上司や担任に聞いても目立ったパワハラやいじめがあるわけではない。めまいや頭痛、胃腸の調子が悪いなど自律神経の調子も悪く、精神的にはうつ状態になっていることが多いので、抗うつ薬での治療を勧める。2~3カ月で体調もよくなると、人間関係も改善する。

 調子の悪い時に声をかけてきた上司に対して圧迫感を感じていたのが、「よく気にかけてくれる上司だった。心配してくれていた」と逆に感謝の気持ちに変わることがある。

 うつ状態になってセロトニンなどの神経伝達物質が少なくなってくると、集中力や気力がなくなり、自律神経も乱れてくる。次第に不安になり、余裕がなくなり寛容性がなくなってくる。寛容性がなくなるとどうでもよい些細(ささい)なことまで気にしてしまう。

 

例えば、「元気がないな、頑張れ!」と何気なく上司から声をかけられても、プレッシャーと感じたり、裏の意味を探ったりして疑心暗鬼になる。中年以上では「自分が悪いのでは?」と感じる「自罰性」として、比較的若い人は上司や仲間が悪いと感じる「他罰性」として表現されることがある。

 もちろん、いじめの原因となるような環境をしっかりと見直すことも必要であるが、大きな問題が見つからないときは、被害を受けている本人のメンタルケアも必要である。原因探しとメンタルケアは同時に進行するのが良いだろう。