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原発避難いじめ問題!夢ら丘さんが絵本読み聞かせ

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多摩市の絵本作家、夢(む)ら丘実果(おかみか)さんが、自作の絵本の読み聞かせを通じて、東京電力福島第一原発事故と避難者へのいじめの問題を考えてもらおうと活動している。都内など各地の学校や保育所を訪れ、子どもたちに「助け合って生きることの大切さ」を伝えている。 (栗原淳)

 「六年前にあった大きな地震のこと知っている?」。夢ら丘さんは三月二十四日、町田市小山ケ丘一のもみの木保育園で、園児約四十人に語りかけた。自作の絵本「とどけ、みんなの思い」を開いて読み聞かせ、続いて「カーくんと森のなかまたち」を朗読した。

 両作品とも孤独や友情などに対する思いを、動物に置き換えて描いた。「とどけ-」は、原発事故で福島を追われた主人公のネコがふるさとの再生を願う。斎藤友紀雄・日本いのちの電話連盟理事が監修した「カーくん-」は、仲間と比べて取りえがないと悩むホシガラスの「カーくん」が周囲の励ましで自信を取り戻す物語だ。同保育園の園児からは「福島から来たお友達がいたら一緒に遊びたい」との言葉も飛び出した。

 夢ら丘さんは、命の尊さ、支え合うことの大切さを伝える道徳学習の講師として、各地の学校などを巡っている。教材に使うこの二作品は刊行年が異なる別の物語。だが、原発事故の避難者が避難先でいじめられる問題が発覚したこともあり、夢ら丘さんは「時宜にかなった言葉が子どもたちの心に響いている」と感じている。「大切な人を失ったり、故郷を追われたりした避難者と、孤独な『カーくん』の姿が重なる。相手の心の痛みを知れば、いじめは起きないはず」と力を込める。

 三月初めには、福島県富岡町の避難者を受け入れている同県三春町の小学校を訪れた。読み聞かせに併せ、「とどけ-」に推薦文を寄せた県出身の俳優西田敏行さんの「三春、そして福島のために皆さんが前進してゆけるよう応援しています」とのメッセージを伝えた。児童からは「あらためて故郷と命の大切さを感じました」などの感想が寄せられた。

 夢ら丘さんは「絵本でも描いているように、世の中のみんなが幸せになるという夢を子どもたちで共有してほしい」と話している。