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「言葉の力」考えて

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和歌山市在住のイラスト作家、Rui(るい)さんが2作目の絵本「わすれないよ。」を今月出版した。いじめに苦しんだ自らの体験を踏まえ、周囲の心ない言葉に傷付いた主人公のウサギが仲間に元気付けられる姿を、柔らかなタッチの鉛筆画とともに表現した。17日に出版記念の朗読会とサイン会が市内の書店である。Ruiさんは「時に誰かを傷つけたり、勇気付けたりする『言葉』の力を考えてほしい」と話す。

 

 「空気読めよ!」「要領悪すぎ!」

 人間関係や勉強のことで友達から厳しい言葉を浴びせられる主人公のウサギ「りょうま」。

 「心はもう、ボロボロだよ……」「だれか……! 助けて……!」。精神的に追い詰められていく姿は作者の経験の投影でもある。

 傷心のりょうまを仲間たちは気遣う。「ひとりでためこまなくていいから」「もっと私たちをたよったらいいんだよ」。周囲の支えでりょうまは元気を取り戻していく。

 Ruiさんは幼い頃から絵を描くのが得意だった。中学生の頃に同市出身の日本画家、稲垣伯堂さん(故人)に絵を習った。

 しかし、高校時代にいじめに遭い、不登校を経験。大学卒業後は職場で人間関係に悩むなどして数年前にうつ病を発症した。自殺も頭をよぎったが、「死ぬぐらいなら同じように苦しんでいる人たちのために何かを残そう」と絵画の腕を生かしてイラストにすることを思いついた。

 2014年3月、動画投稿サイト「ユーチューブ」で作品を公開したところ、動画を見た大阪の出版社から「ぜひ絵本にしたい」と打診があり、快諾。翌年夏に絵本「だいじょうぶだよ。」を初出版した。

 2作目は、自らの体験や思いを織り込んだ。「りょうまのつらい記憶がよみがえる場面は心の闇を表現しようと真っ黒に塗りつぶして迫力を出した。仲間の思いやりを感じた瞬間は、パステルカラーを何色も使い、温かみのある雰囲気にした」と話す。

 軽やかな筆致で親しみやすい一冊に仕上がっている。