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是枝監督 韓国の「いじめ映画」日本公開に喜び

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少女のいじめ問題描いたユン・ガウン監督「わたしたち」

少女のいじめ問題描いたユン・ガウン監督

 

[映画.com ニュース] 第17回東京フィルメックスで観客賞などトリプル受賞した韓国映画わたしたち」が9月23日に公開される。小学生の主人公がいじめやスクールカースト、家庭環境の格差など、現代が抱える社会問題に直面しながらも、成長していく姿を生き生きと描いた。来日した新鋭ユン・ガウン監督に話を聞いた。

いつもひとりぼっちだった小学4年生の少女ソンは、終業式の日に偶然出会った転校生のジアと友情を築いていくが、新学期になるとその関係に変化が訪れる。さらに、共働きの両親を持つソンと、裕福だが問題を抱えるジアの、互いの家庭環境の違いも二人の友情に小さな暗い影を落としていく。

ユン監督の子供時代の実体験が基になっていると明かす。「小学校6年生のときに、秘密もすべて打ち明けられるような大好きな友達がいて、いまだに理由がわからないのですが、些細なことで関係がこじれ、それに伴うような形で、クラスの友人とも関係が悪くなったのです。クラスの権力関係みたいなものにも巻き込まれ、心に大きな傷を負いました。家族ではなく、他人とのかかわりでそれほどの体験をしたことがなかったので、そこからの人間関係が怖くなったり、新しく友達ができても、長い間尾を引きました。大人になっても、人間関係はその繰り返しのような気がするので、人生の命題として、映画にしようと考えたのです」

主人公の少女ソンをはじめ、出演する子供たちはほとんど演技経験がなかったそう。にもかかわらず、子供らしい喜怒哀楽に溢れた自然な演技で観客を物語に引き込んでいく。ドラマチックな展開を極力抑え、リアリティを追求した脚本は、プロデューサーである名匠イ・チャンドンのアドバイスによるものだ。

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「全く意図していませんでしたが、結果的にほとんど演技経験のない子供たちばかりになりました。主人公のソンを演じた、チェ・イスンは、少しだけ演劇の学校に通っていたのですが、彼女自身内向的で、自信をつけたり、何かを表現することを身につけたりするために通っていたようです。シナリオの初稿段階では、大げさな事件を入れて映画的な面白みを入れるようにしていましたが、イ監督ににせもののようだといわれ、改稿しました。教室で起きているけれど、ニュースにはならないような小さなことでも、子供にとっては波及力のあるエピソードを描きました」

最近のいじめを描くために、実際に小学生に話を聞き、子供たちが集うネット上の掲示板などにも参加した。「昔は容姿や性格などをからかうということが多かったと思うのですが、最近は、家族のことや経済的な価値で個人の資質を評価することがあり、よくない傾向です。今の時代はネットが発達し、SNSなどを通して簡単に言葉を発することができます。けれど、相手の顔を見ていないので、相手の反応がわからず、子供たちは一方的な判断のみで言葉を発しています。しかし、その一方で、子供たちが悩み相談ができる場もあります。現実世界で苦しいことがあっても、そこに駆け込むことができるようになった。もちろん攻撃されてしまうこともあるのですが、それによって救われている子供もいるので、必要悪のような感じで捉えています。しかし、ネット上の交流は顔が見えないだけに、しっかりと礼儀を守るべきだと思います」と持論を語る。

本作が長編デビュー作。多くの映画監督の作品から学んだというが、とりわけ是枝裕和監督の作品が大好きだと笑顔を見せる。「是枝監督は私の映画人生の先生だと思っています。私が映画をあきらめかけたときに、やっぱりもう一度映画をやろうと思い直させてくれた存在です。映画の写真やポスターがびっしり貼られた私のデスクの真ん中には、小津安二郎監督と、是枝監督の写真を貼ってあります。映画監督として迷いが出たときは、そのたびに是枝監督の作品を見直すので、私の作品が日本で公開されることは私にとって特別な意味があるのです」

わたしたち」は、9月23日からYEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次公開決定。