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思っていたより多い米国のいじめ

四半世紀ほど前にアメリカで仕事をした経験をベースに私はアメリカの会社では「いじめ」はそれ程多くないと思っていた。

理由は幾つかある。一つはアメリカ人は総じて負けず嫌いなので、いじめられると泣き寝入りするのではなく、猛烈に反発するからだ。

次に訴訟社会であり、会社による解雇はしばしば訴訟につながるからだ。

ところがWSJによると、アメリカでも「職場でのいじめ」が増えているという。最近の調査によると「過去1年間で職場でいじめに遭った人は2/3近くになり、1998年当時の1/2から増えている」ということだった。

米国ではハリウッドのセクシャルハラスメント事件以降、職場のいじめ問題が注目を浴びている。

アメリカの会社ではボス(直属上司)の権限は絶大だ。転勤が多い日本の会社では、しばらく我慢していると嫌な上司と分かれる可能性があるが、アメリカではそのようなことはない。自分が転職するかボスが転職しない限り、上下関係は永続する。

それだけにボスの力は強力だ。いじめを会社に告げ口してもボスから報復を受けるので、泣き寝入りしている従業員が多いということだろう。

記事は「なぜいじめが増加しているか?」という点について、それ程深堀していないが、一つの結論として「若い従業員の間の能力格差が顕著であり、少数のスター的社員が多くの仕事を取ってくる」など、能力格差がいじめ増加の背景としている。

記事はまたいじめを職場から追放するのは、時間のかかる仕事で法律的には困難な作業という面も指摘している。

いじめが従業員の生産性の低下や顧客離れにつながる点で企業にマイナスであることは間違いない。人事コンサルタント会社は「いじめ防止教育」を企業に推奨している。また度を過ぎた部下いじめをする上司については、その上司の解雇を強く会社に推奨することもある。

さてアメリカで昔よりいじめが増えていることの背景を私なりに考えてみた。

一つは脱工業・情報化社会になって、個人の知的能力の差が生産性の差を大きく左右することになったことだ。「真面目に働いているとそこそこ成果があがる」という時代ではなくなってきたということである。生産性の差が顕著なのでボスはできの悪い部下を攻撃しやすいのである。

次にここ数年は失業率が顕著に低下し、求人難が目立ってきたが、それまで職を得ることが難しい時代が続いた。なお数字上の失業率は低下しているが、「本当にやりたい仕事に就職できているか?」ということを見るとまだ「就職難」は続いているかもしれない。多くの一般的な才能レベルの人にとって。

よって「職を失う」懸念からいじめに泣き寝入りしている人が減らないとも考えられる。

いじめの問題はアメリカ企業社会でも簡単には解決しない問題のようだ。