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絵筆に込め「いじめ、逃げていい」

 

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性同一性障害であることを公表し、性的少数者(LGBTなど)への理解を求める活動を続ける画家がいる。男性の体に生まれて女性として生きる、こうぶんこうぞう(本名・公文晃蔵)さん(46)=大阪市。いじめや自殺未遂を経験したが、絵との出会いに救われた。当時と同じ境遇にいる子どもたちに「逃げてもいい。どんな自分も好きになって」とメッセージを送る。

 

 大阪府阪南市出身。幼いころから、好きになるのは男の子だった。スカートや口紅をせがみ、遊びはままごと。小学校入学時には、黒いランドセルを赤いペンで何度も塗った。

 性同一性障害という言葉が知られていない時代。女の子のような仕草を同級生にからかわれ、教師には「男らしくしろ」と殴られた。集めた色とりどりのリボンやシールは、全て親に捨てられた。「男の着ぐるみに包まれた感覚」で生きていた。

 自分を変えてくれたのは、中学の女性美術教諭。学校でただ一人の味方だった。「ロングヘアにしたい」と言うと、長い髪になった姿を描いてくれた。「絵の中では本当の自分になれる」。絵画教室にも通い、夢中になった。キャンバスだけが逃げ場所だった。

 高校時代は学ラン姿ながら、顔には化粧をしていた。そんな姿が目を付けられ、激しいいじめの対象に。弁当はトイレにこもって食べた。「悪いのは私。居場所なんてどこにもない」。絵もやめさせられた。そして高2の時、うそをついて買った農薬を深夜に飲んだ。

 1カ月以上も生死の境をさまよい、「怖いものがなくなった」と言う。「絵で食べていく」と決め、高卒後に家を出た。大阪市生野区の商店街で1枚500円の似顔絵を描き、アパートで朝まで絵筆を握った。

 作品のモチーフは、ほとんどが子どもの顔。投影するのは、絶望していた自分や、望んでも産めない「我が子」だ。次第に評価が高まり、1996年には初の個展を開いた。

 男性として生活していたが、カナダ人の恋人から「性同一性障害では」と指摘された。2003年からは公表して活動し、これまで30回以上の個展を開いてきた。最近は、関西の小中学校や教員の研修会で講演し、性の悩みを抱える子への理解を求めている。

 近年、国内でもLGBTは知られるようになったが、命を絶とうとする当事者や、誰にも相談できない子どもたちが、今も身近にいる。「自分を追い込まないで。世の中はきっと変わるから」と力を込める。