いじめニュース速報@イジ速

いじめ事件 ・イジメ ニュースを発信中!スマホいじめが増加!子供達をいじめから守ろう!

中3男子生徒が校内で自殺未遂

大阪府枚方市の市立中学校に通う3年生の男子生徒(15)が昨年4月、校内で飛び降り自殺を図り、市教育委員会が同級生によるいじめが原因として、いじめ防止対策推進法に基づき調査にあたる第三者委員会を設置していたことが7日、関係者への取材で分かった。男子生徒は「飛び降りろ」と迫られるなど、いじめ行為を繰り返されていたとみられ、自殺未遂後に不登校となった。学校側は自殺未遂当日、家族に対し「こんないじめくらいで転校は認められない」と発言していたという。第三者委は学校側の対応に問題がなかったかも調べている。

首絞められ、「飛び降りろ」 PTSD発症、不登校

 市教委や家族によると、男子生徒は昨年4月、学校の2階廊下の窓から自殺を図った。窓越しに飛び降りようとし、体半分が出たが、周りの友人が助けて事なきを得た。その後、不登校になり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や解離性障害と診断された。

 自殺未遂の直前、同級生の男子生徒3人が、男子生徒の首を絞めたり、体を押さえつけ「飛び降りろ」などと迫っていたという。以前から同様のいじめがあった可能性もあり、市教委は、事案発生から2カ月後の6月に、いじめ防止対策推進法が規定する「重大事態」にあたると判断。弁護士ら第三者でつくる審議会を設置した。

第三者委設置は「重大事態」との家族の指摘後?

 ただ、男子生徒の家族によると、審議会設置は、家族側が市教委に「今回の事案は重大事態にあたる」と指摘した後に行われており、また学校側は自殺未遂当日、事態の説明をした際に「こんないじめくらいで転校は認められない」などと発言していたという。

これに関し、市教委は「当初から重大事態になり得ると判断していた。学校の事後対応に問題はなかった」と説明。ただ、いじめ問題解決に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)の小森美登里理事は「いじめが明らかにもかかわらず対応が遅い」と指摘する。家族側は「(審議会の)設置も遅いし、(学校側と)言い分が食い違う点が多い」と再調査を求めた上で、「事実を適切に判断してほしい」としている。

 審議会は、被害、加害生徒の両方から聞き取りを行い、学校側の調査と事実が違う点を精査し、年度内に報告書をまとめる方針。

いじめ認知件数は過去最高 重大事態は前年度比86件増

 いじめを受けた被害生徒が自殺や自殺未遂に至るまでの背景や事実関係が食い違い、家族側が学校や教委に再調査を求めるケースが後を絶たない。配慮が足りずに家族が不信感を募らせたり、学校主体で調べた事実を前提に進める第三者委員会の結論に不満を持ったりするためだ。

 文部科学省が昨年10月に公表した平成28年度の問題行動・不登校調査結果によると、全国の小中高校などでのいじめ認知件数は32万3808件と過去最高を記録。児童生徒の生命や身体などに大きな被害が生じたり、長期欠席を余儀なくされたりするなど、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」は前年度比86件増の400件。自殺者は244人で、うち10人がいじめにあっていた。

第三者委は行政主導か 家族不満募らせ、再調査要求相次ぐ

 平成28年8月、青森市の中学2年の女子生徒=当時(13)=が列車に飛び込み亡くなった事案では、第三者でつくる市いじめ防止対策審議会は自殺要因を「思春期鬱」としたが、遺族は「根拠がない」などとやり直しを求めた。委員らは後に「任期満了」で退任。その後選ばれた新委員らが今年度末までに結論を出すべく再調査している。

 27年11月に茨城県取手市立中3年の女子生徒=同(15)=が自殺した事案では、「いじめられたくない」と日記を書き残していた。市教委は翌年3月、「重大事態に該当しない」と議決したが、遺族の反発で29年6月に議決を撤回。後に県が新たな第三者委を設置し、再調査を行うことになった。

「学校側、いじめの兆候に鈍感に」

 なぜ、こうした事態が相次ぐのか。いじめ問題解決に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)の小森美登里理事は「学校側にいじめ問題に対しての慣れが生じ、少しの兆候にも鈍感になっているのでは」と指摘する。

 いじめ防止対策推進法は、学校側に、迅速で公平な調査で客観的事実を明らかにすることを義務づける。文部科学省ガイドラインでは、いじめ自殺が疑われる重大事態は、「30日間不登校」が一つの目安とするが、「疑い」があれば速やかに対応しなければならないとも定めている。

 小森理事は「学校の調査が十分なら第三者委も必要がない。初動調査を理解を得ながら進めなければ、家族に何か隠そうとしているのではと疑われるのも仕方ない」と話した。