ちょうど一か月前、このコーナーに書いた「ごめんなさい川崎くん」で、いじめについての思いを募集した。届いた手紙の一部を紹介しよう。忘れてはいけないのは、同じ悩みを持つ仲間がいるということ。出口の答えは一緒に考えて探すしかない。キミとボクとで頭グルグルだ。【編集長・西村隆】
いじめないと、いじめられる
小6女子「私のクラスにはいじめられている人がいます。実は私もやったことがあります。今思うと最低です。でもやらないと私がいじめられると思ってやりました。たぶん、みんなそう思っているのだと思います。もうすぐ卒業です。どうすればいいでしょうか」
小5女子「○○くんと仲良くしたら『えー、あんな人と仲良くしよったの? じゃあ好きにすれば?』と言われます。助けてあげる勇気や声が出ません。でも、このままで見過ごしてはいけないと思いました。私といっしょに頭グルグルして考えてください」
どうしたらいい? 読者のキミの手紙を待っている。
11になった息子へ
お誕生日おめでとう。友だちの悪口を言いながら、イライラしながら食べたケーキはおいしかったですか。せっかくなら、おいしく楽しく食べたかったですね。
お母さんは、小学生と中学生のとき、お友だちにたくさん意地悪をしました。仲良しグループのお友だちの中で、「○○ちゃんってウザいよね」「○○ちゃんを今日から無視しよう」と言って、1人の子を決めてみんなで意地悪するようにほかのお友だちに命令していました。○○ちゃんに意地悪するのがつまらなくなったら、次は○○チャンと順番に。
でも、ある日。中学校へ行くと、お母さんの机の上に油性ペンで「死ね」「バカ」「調子に乗ってんじゃねぇ」と書いてありました。今まで、順番に意地悪してきたお友だちが集まって、今度はお母さんをいじめるようになりました。自分がお友だちにしてきたことが、どんなに傷つけ、苦しめ、悩ませていたか、自分がいじめられる立場になって初めて分かりました。「ごめんね」と謝っても許してなんかもらえません。一度心を傷つけてしまった事実は、もう消えません。
お母さんは今、小学校時代、中学校時代のお友だちがひとりもいません。その理由は分かりますよね。
あなたには、お母さんと同じような体験をしてほしくありません。大人になってからもずっと仲良しでいられるようなお友だちを見つけてほしいのです。そして、お友だちも自分も大切にしてほしいと思っています。
お母さんより