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不登校 卒業証書渡らず

川口市立中を今春卒業した男子生徒(15)が在学中にいじめを受け不登校になった問題で、卒業式から2カ月近くたった今も男子生徒に卒業証書が渡っていない。母親は「学校側の対応を待っている」としており、県教委は早期に生徒側の理解を得て卒業証書を渡すよう市教委や学校を指導している。

 

 母親によると、3月15日に卒業式があったが、式の中で各卒業生が保護者に感謝の手紙を渡すことを同校が男子生徒に伝えていなかったため、生徒は「準備ができていない」として式を欠席した。

 式後、校長らが卒業証書や記念品を持参し生徒宅を訪問したが、母親はこれまで生徒への直接謝罪がないことなどを理由に受け取らなかった。4月3日には新任校長が生徒宅を訪問したが、母親は前の校長の責任などを指摘し、話し合いは進まなかったという。

 新任校長は毎日新聞の取材に「卒業証書を預かったままなのは心が痛い。何とか生徒に渡したい」と話す。これに対し母親は「県教委は卒業証書の問題を年度内に解決するよう指導していたのに、市教委や学校から連絡がなかった」としている。

 市教委の第三者委員会は3月、「いじめが不登校の主たる要因」とする報告書をまとめ、「いじめへの対応が遅れた」などとして市教委や学校の責任も指摘した。