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「戦争なくてもいじめはある」

沖縄県那覇市立上山中で22日、「慰霊の日」特設授業があり、米国占領下の沖縄で、米兵による事件で身近な人を亡くした体験を持つ2人の講師による講話があった。それぞれの事件で米兵が罪に問われなかったことを踏まえ、2人は「今の日本は戦争をしていないが、平和と言えるか」と語り、生徒たちの身の回りに「平和ではない状況」がないか問い掛けた。生徒たちは仲間外れやからかい、いじめなど、自分の身近な問題に引き寄せて平和とは何かを考えた。

 講師を務めたのは、祖母が泥酔した米兵の運転する車にひき殺された体験を持つ同校の前田比呂也校長(57)と、1963年2月に信号無視の米軍トラックにひかれた国場秀夫君=当時(13)=の級友、中村光雄さん(68)。

 亡くなった国場君が上山中1年生だったことから、同じ1年生の28人を対象に授業した。

授業で生徒が書き込んだワークシート

 前田校長の祖母の溝淵文枝さん=当時(60)=は71年10月、バス停でバスを待っていた時に泥酔した米兵の車にひかれて亡くなったが、米兵は無罪になった。「人の命は国籍で違うのだと思った。身近な人が突然いなくなることのつらさを今も抱えている」と話した。

 中村さんは、米兵が無罪となった国場君事件を振り返り、「国場君は青信号の横断歩道を渡っていた。何にも悪くなかったのに、ひいた側の米兵が無罪になった。こんな不平等ありますか」と生徒たちに問い掛けた。

 講話を聴き、生徒たちは平和の対義語について考え、文字にした。

 「いじめ」と書いた照屋優空(ゆうあ)さん(12)は、いじめで自殺した人のニュースを見たと言い「平和って遠いところにあるなと思った。戦争でなくても、大切な命をなくすことは平和じゃない」と話した。

 前田校長は「戦争がなくても苦しいことは数多くある」と前置きした上で「苦しいことがあっても、死なないでほしい。死なれると、つながった人たちもずっと苦しい。君たちは一人ぼっちじゃなくて、いろんな人とつながっていることを忘れず、自分のことを大切にして」と呼び掛けた。