いじめで娘亡くした母
大津市の若手教員を対象にしたいじめ対応研修が21日、同市本丸町の市生涯学習センターで開かれた。一人娘をいじめによる自殺で失った小森美登里さんが講演し、「教員同士、学校と家庭が連携していじめを防いでほしい」と訴えた。
小森さんは1998年に高校入学間もない娘を亡くした。NPO法人を立ち上げ、自身の経験を踏まえ、いじめ撲滅のために活動を続けている。
講演で、小森さんはいじめ問題は加害者側の問題として、「加害者こそ虐待を受けているなどの問題があるケースが多い。いじめる背景を探り、寄り添うことが必要」と語り掛けた。
いじめが起こった時の学校側の初動調査の重要性に言及し、「子どもの状況を把握し、被害者側と共有することが、早期解決とその後のトラブル防止になる」と話した。始業式の日に子どもの自死が増える「9月1日問題」に触れ、「気になる子がいたら夏休みのうちに対応を」と呼び掛けた。
研修は市教育委員会のいじめ対応研修プログラムの一環。重大事案対応を学ぶため、4~5年目の教職員ら170人が参加した。