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「もううそをついたりしないで… 」と訴える

サッカー部のLINEグループから外され、乱暴されるなどしたことで、不登校になり、「教育を受ける権利を侵害された」として川口市を訴えた栃尾良介さん(仮名)が、現在の心境を手紙で筆者に知らせてくれた。良介さんは川口市教委を指導した文科省や県教委には感謝を述べながらも、学校や市教委がいじめの対応が不十分で、約束された支援体制が行われなかったことについて、「裁判ではもううそをついたりしないでほしい」と書いている。

筆者は母親を通じて、原告となった良介さんに取材を申し込んだ。すると口ではうまく話せないが、書くことはできる、ということから、手紙の形式で裁判への思いや学校・市教委に対して感じていることを書いてもらった。

訴状などによると、良介さんが中学校で不登校になったのは、合計4回。1回目は16年5月9日から12日まで。サッカー部員からのいじめが原因。2回目は学校の不適切な対応と顧問の体罰、いじめの継続によって16年9月14日から17年4月まで続いた。3回目は学校の不適切といじめの継続で17年11月2日から12月17日まで。4回目は同じ理由で、18年1月24日から復帰できないまま卒業した。

原告の良介さん

 

いじめより、校長や教頭や市教委にうそをつかれたほうが辛くて苦しかった

不登校の1回目はいじめが直接の理由だが、2回目以降は、適切な対応が取られなかったことが原因だ。こうしたこともあり、良介さんは「ぼくの事で裁判になるけど今一番思う事は、いじめにあう事より校長や教頭や(市教委)指導課にうそをつかれた事のほうがぼくは辛くて苦しかったです」と書いている。

いじめによって不登校になった場合、「いじめ防止対策推進法」では「重大事態」とされ、学校もしくは設置者が調査委員会を設置することになっている。母親は当初、「いじめ」という言葉を使っていなかったが、2回目の不登校のとき、自傷行為もあったことを踏まえて、10月になって学校長や市教委に「重大事態として動くように」と要望した。それ以降、学校化や市教委から母親に連絡がなくなった。12月7日に文部科学省生徒指導課は県教委に対して「重大事態として対応しないなら、市教委に対して、理由を説明するように」と指導している。20日になって、ようやく話し合いが持たれるが、学校はいじめとは認めない。

埼玉県庁内で会見をした母親

文科省児童生徒課は16年12月27日、県教委の指導主事に対して、「母親はいじめと認めないことに不満を持っている。重大事態として捉えないようなら、場合によっては川口市教委を県に呼んで、指導をしていただく必要が出てくる」と助言・指導を行っていた。

学校や市教委に「何回も裏切られました」

また、校長が12月末にサッカー部の保護者に「いじめはない」と言っていたことに対する事実確認を行うようにと、文科省は県教委に指導をしている。なかなかいじめと認められない中、良介さんは文科省に手紙を書いた。そのことで文科省は県教委と市教委を呼び出している。

繰り返される文科省や県教委から市教委への指導に対して、良介さんはこう書いている。

「絶対にちゃんとやるから登校してとか絶対大丈夫とか、今後はしっかりやるとか言ってたのにやらないとかぼくがちゃんと話した事なのにぼくから聞いてないとか言われたり、ぼくが言ってもない事をぼくが言ってたとか、文部科学省や埼玉県教育委員会とかに指導課や校長は言ってました。ぼくは何回も校長や教頭も(市教委)指導課の事を信じたけど何回も裏切られました」

繰り返される助言・指導でも市教委はなかなか対応しない状況が続く。そのため、文科省は17年6月1日、県教委に対して、「県が市教委に対してどうリードしたのか。対応のレベルをあげてほしい」「市教委は子どもを守るために問題に向き合う必要がある」と指導をしている。

 

文科省や県教委には「何回も何回も市教委に法律を守るように注意してくれたことに感謝」

それでも、市教委は動かず、6月2日、文科省は「川口市の法の理解がそもそも間違っているのではないか。論外である」と県教委に述べている。同日、県教委は市教委へ「法に従って報告などをしていただきたい」と指導した。15日には、県教委が市教委を呼び出している。そこで市教委は「いじめは社会通念上の判断でしている」と述べ、文科省に法に従うように指導された。9月には校長が文科省に呼び出されている。

6月19日に、さいたま地裁に提訴した

良介さんはこうした文科省や県教委の指導に対して、以下のように感謝する。

「最初から理解してくれて(市教委)指導課や学校に何回も注意とかしてくれた文部科学省には、ぼくはすごく感謝してます。埼玉県教育委員会の指導課も何回も何回も川口市教育委員会に法律を守るようにとか注意してくれた事にも感謝しています」

こうした中で市教委は重大事態と認め、17年1月。調査委員会を設置。18年3月、「いじめが不登校の主たる要因」とする報告書を公表した。しかし、母親は内容に不満を隠せなかった。顧問による体罰が「不適切な指導」と書かれていたり、学校の聞き取りもとに「指導した」とある部分に対して不満を漏らす。事実関係の訂正を求めた部分がそのままになっていたという。

「裁判ではもううそをついたりしないでほしい」

17年3月28日付けの支援体制についても守られなかった。その中には補修が含まれていた。しかし、その後、卒業までの約1年間、補修が組まれることがなかった。18年1月31日には、文科省に市教委や県教委が呼び出され、市教委が支援体制について報告した。しかし、翌日、現場の教員が支援体制が伝わっていなかったことが発覚する。

良介さんは市教委や学校に対して、こうお願いする。

川口市教育委員会や校長や教頭は調査委員会の結果が出たあとに、新聞や保護者会でぼくに長い間傷つけてしまったとか言ってたけど、法律を守らないでちゃんとしなかった。(市教委)指導課や校長や教頭はぼくに謝る事もしないし、まだうそをついたり、まだ文部科学省や埼玉県教育委員会から注意されるような事をしたと思ってないと思います。生徒が何かしたら絶対に反省か謝まる事をさせるのに、どうして校長や教頭や指導課はしていないのかと思います。裁判ではもううそをついたりしないでほしいです」