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観たら死にたくなるドラマ?『13の理由』

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Netflixの人気ドラマシリーズが、視聴した10代の若者の自殺リスクを高めるとのではないかという研究結果が発表され、欧米で物議をかもしている。英「Independent」など複数メディアが取り上げている。

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■若者たちのメンタルヘルスに悪影響なドラマとは

 問題となっているのは米国の人気歌手で女優のセレーナ・ゴメスが制作総指揮を務め、Netflixが配信したドラマシリーズ「13の理由」である。女子高校生ハンナが自殺前に残したカセットテープの音声から、彼女をめぐる人間関係の暗部が徐々に暴かれていくという内容だ。2017年の配信直後から各国で大きな話題となっており、日本でももちろん視聴することができる。

 ドラマでは米国の高校や若者たちが直面する数々の問題、例えばSNSを使ったいじめ、生徒間のヒエラルキー、酒や大麻、同性愛、性的暴行などが赤裸々に描かれる。2017年のシーズン1は高い評価を受けて今年5月にはシーズン2が配信されており、男性への性暴力や銃乱射事件といった描写が物議をかもしつつも、来年にはシーズン3の配信が決定している。

 あまりにリアリティが高すぎるためか、自殺してしまうハンナや彼女の死に苦しむ友人たちに感情移入する若者は多いようで、配信が開始された当初から「ティーンエイジャーに悪影響を与えている」と一部の教育関係者、心理カウンセラーなどから批判が起きていた。英「Independent」の2017年4月の記事によると、オーストラリアの青少年向けメンタルヘルス団体では、ドラマの配信開始以来、相談の電話やメールが急増したという。

■本当に影響はあったのか?

 では実際、ドラマが視聴者のティーンエイジャーに悪影響を与えているのだろうか? 米ミシガン大学の精神科救急部の医師らは、受診した平均年齢14.6歳の若者87人(71%が女性、26%が男性、残る2%は性別不適合)を調査した。

 すると、そのおよそ半数が「13の理由」を少なくとも一話視聴していた。そのうち84%は一人で視聴しており、内容について話し合ったのは親(34%)より仲間(80%)であった。視聴していた若者のうち半数は、死にたい気持ちをドラマが上昇させたと考えており、うつ病や自殺願望をもともと抱えていた人ほどドラマで自殺したハンナに自らを重ね、悪影響を受けたとしていた。調査結果をまとめた論文は今月20日付で専門誌「Psychiatric Services」に掲載された。

「今回の調査は、ドラマが自殺のリスクを増しているとは確認できませんでした。しかし、感受性が強く傷つきやすい若者たちへの悪影響を懸念する必要性は確認できました」

 そう語るのは論文の筆頭著者である医師ヴィクター・ホン氏である。ホン氏によれば、うつ病でない子どもがこの手のドラマに影響されることはあまりないが、すでに精神的に問題を抱えているような子にとっては問題があるかもしれないという。

 問題は、自殺のリスクを抱えた子どもを大人が把握できないことにあるとホン氏は語る。調査対象になった子どもの両親には、このドラマを視聴していた人はほとんどいなかったといい、子どもが視聴していたことすら知らないという親もいた。

「傷つきやすく自殺の可能性が高い子どもを持つ親は、子どもが見ているコンテンツや、危険性のあるコンテンツにさらされていないかについて、もっと把握すべきです」

 研究に携わった医師の一人シェリル・キング氏はこのように語る。一方で、このようなデリケートなことを、ティーンエイジャーが親と話し合うのは難しいだろうとも指摘する。米国の学校にはびこる闇を描いたドラマは、実際に十代の若者たちが抱える問題をも浮き彫りにしているのだ。