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イギリス 刑務所内でいじめに遭い執行猶予処分に

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孫の立場を利用して、認知症で要介護の祖母の預金を勝手に使い込んだとして服役していた英在住の2児の母親。しかし収監先の刑務所でいじめに遭い、このほど判事が判決の変更を言い渡し、母親は執行猶予処分となった。だが世間からは、またしても英司法の甘さを批判する声があがっている。『The Sun』『Manchester Evening News』などが伝えた。

グレーター・マンチェスターオールダムに住むルイーズ・ショウ(35歳)は、2016年5月~2017年3月の間に認知症の祖母バーバラ・フィッシャーさん(83歳)の介護費用にあてる預金19,431ポンド(約270万円)を本人の許可なく勝手に使い込んだ。

ルイーズは、祖母の財政管理を任された立場を利用して10か月間にわたり100ポンド(約14,000円)~200ポンド(約28,000円)ずつをバーバラさんの口座から引き出し、夫や11歳と13歳になる子供と一緒に家族旅行に出かけたり、レストランでの外食や美容院代、その他諸々の品物購入に充てていた他、電気代までも祖母の預金から支払っていた。

ルイーズの使い込みにより、バーバラさんの介護施設に払う予定だった費用30,000ポンド(約420万円)が滞納していた。しかし2017年4月からバーバラさんの財政管理を代わったおばが、口座から多額の引き出しがあることに気付き、事態が発覚した。後に施設への費用は全額支払われたが、ルイーズは逮捕され、病院での受付事務の職も解雇された。逮捕後、ルイーズは「祖母は私が生活費のために預金から引き出すことを許してくれていると思っていた」と話したという。

11月にマンチェスターミンスハル・ストリート刑事法院で行われた裁判では、立場を利用し詐欺を働いた罪を認めたルイーズに対し、バーナード・リーヴァー判事が一部執行猶予を認めた18か月の有罪判決を言い渡した。これは12月21日までルイーズを刑務所に服役させ、その後はどうするかという判断を再びの裁判で下すというものであったが、この4週間の服役中にルイーズは6.4kg痩せるほど他の受刑者からいじめに遭っていたようだ。なおルイーズの服役中は、2人の子供の面倒は夫が見ていたということだ。

ルイーズに判決を下した同判事は、「認知症の祖母から多額の預金を使い込んだ被告の行為は許し難いものだ。そのような犯行で被告に実刑を科さなかったと世間に思われたくもないし、事実、被告は服役していた。しかし今の被告の変わり果てた姿には、私でさえ驚きを隠せない。服役中は辛い時を過ごしたことは目に見えており、被告は素直に懲罰を受けていたとみられる。4週間であっても刑務所暮らしは被告にとっていい勉強になったことだろう。これまでの服役期間は犯した罪からするとあまりにも短い刑期だが、被告の2人の子供は曾祖母から何も盗んでおらず、父親同様被告のいない生活を苦しみながら耐えていた」と述べ、その後ルイーズには2年の執行猶予付き12か月の有罪判決という変更措置が取られ、加えて300時間の無収入労働命令が言い渡された。

これを聞き法廷で泣き崩れたルイーズに、判事は「被告は元は善良な人間だったとされる。今回の服役で学んだと信じ、二度とここに戻らないことを願いたい。しかし再び罪を犯せば直ちに刑務所に逆戻りとする」と釘を刺した。だがやはり世間からは、「女だからまたこんな甘い判決にしている。男だったら絶対にこうはならないだろう」「司法が犯罪者を守ってどうする」「そんなことして犯罪者を刑務所から出すから、イギリスは犯罪が減らないんだ!」「窃盗と詐欺で実刑になるのは当然でしょ。祖母のお金を勝手に使うなんて身勝手すぎる!! 刑務所でいじめられたからってそこから出すの!? なんて司法なの。呆れるわ」といった英司法の甘さに対する批判の声が相次いでいる。