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「パワハラ芸」と認識しない価値観が炎上の原因か?

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昨年の大晦日に放送された『ダウンタウンガキの使いやあらへんで!大晦日年越しスペシャル絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時』(日本テレビ系)は、18時半から21時までの第1部では14.3%、21時からの第2部では12.8%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。紅白裏の民放では1番の成績を残したが、『第69回NHK紅白歌合戦』の平均視聴率(第2部)が昨年の39.4%から41.5%にアップした一方で、『笑ってはいけない』は昨年に比べて、1部で3ポイント、2部では3.5ポイントも落とした。

 2006年から続いてきた大晦日特番『笑ってはいけない』というコンテンツ自体が飽きられてきたというのもあるだろうが、もうひとつこの視聴率下落に大きな影響を与えているだろうと考えられるのは、松本人志が世間からの批判に対してとってきた、真摯とは言い難い姿勢である。

 wezzyでも松本人志の炎上については複数回にわたって扱ってきたが、財務省福田淳一事務次官によるセクハラ問題に「ハニートラップじゃないのか」と発言したり、杉田水脈衆議院が「新潮45」(新潮社)に寄稿した文章が炎上した際も「そんなにおかしなことは言ってない」と素っ頓狂な擁護を始めたりと、昨年も『ワイドナショー』(フジテレビ系)のなかで微妙な発言を繰り返した。

 これらの発言が災いしたのもあるのだろうが、「週刊文春」(文藝春秋)2018年11月22日号に掲載された「嫌いな芸人」ランキングでは、昨年に引き続き2年連続でダウンタウンが選ばれた。投票数1008票のうち475票が松本人志を名指ししたものであり、投票した読者からは<下品な『弱いものいじめ芸』のトップランナーであることは間違いないが、楽屋ネタばかりで、どこが面白いのか>といったコメントが寄せられていたという。

「弱いものいじめ芸に過ぎない」という世間からの評価に対して、松本人志本人はどのように思っているのか。「SPA!」(扶桑社)2018年12月25日号に掲載されたインタビューで松本はこのように語っていた。

<みんなね、すっごい僕のことを強いと思ってるんでしょうね。だから『FREEZE』でも、僕がいじめてるみたいに見えるんでしょうけど、全然そんなことはなくて。実際、テレビの自分の番組ではかなりきついこともやらされてますから。でもなぜか、レビューでクソほど僕がいじめられるという(笑)>

 この発言から、松本自身は自分が芸能界における絶対的な権力者であり、お笑い芸人の後輩たちはもちろん、芸能メディアでさえ彼の権力に怯え、かしずいているのだという状況を、まったく自覚していないということがわかる。

『FREEZE』は松本人志の「パワハラ芸」の象徴

 『HITOSHI MATSUMOTO Presents FREEZE』は『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』の流れを汲む新シリーズとして、2018年9月19日からAmazon Prime Videoで配信されたバラエティ番組。

 『FREEZE』で松本人志から提示されたルールはひとつ。「FREEZE」とコールされたら、参加者は椅子に座った状態で背筋を伸ばして腕を組み、「RELEASE」とコールされるまで、なにをされても動いてはいけないというものだ。最後まで耐え抜いた優勝者には賞金100万円が与えられる。

現在配信されている第1シーズンは、岩尾望フットボールアワー)、クロちゃん(安田大サーカス)、鈴木奈々ダイアモンド☆ユカイ藤本敏史FUJIWARA)、ボビー・オロゴン諸星和己山崎静代南海キャンディーズ)といった面々が参加しているのだが、2018年9月19日に行われた配信記念記者会見では、出演者が口々に『FREEZE』の収録の厳しさを吐露した。

 特に、諸星和己は笑いを交えながらも、<柔らかく言って『行き過ぎたいたずら』。悪く言うと『パワハラ』。第三者委員会に委ねていますから>と発言。それに対し、松本人志が<本当の審議が入ったら完全アウト。本気で訴えたら全員勝てる>と返す一幕もあった。

 実際、『FREEZE』で出演者たちに襲いかかる仕掛けは、悪く言わなくても、昨年ネットに流出したいくつもの「パワハラ」動画によく似たものだったと言える。

 前述の通り、参加者はルール上、椅子から動けないわけだが、そんな相手の至近距離で爆竹を鳴らしたり、すねを竹刀で殴打したり、スターターピストルを向けて脅したうえで引き金を引いたりといった演出が続く。そして、極め付きは、出刃包丁をくくりつけたドローンを飛ばし、目の付近を刺すといったものだ。

出刃包丁ドローンの餌食となったのはクロちゃんで、彼は二回にわたって目の付近を刺された。幸いにも眼球からは逸れていたが、まぶたの上と眉間という非常に微妙な位置を刺されており、スタッフがドローン操作を少しでもミスしていたら失明してもおかしくないため、視聴者は笑うというよりハラハラする。

 クロちゃんも番組内で<ドローンを使うと思ってなかったから。しかも、包丁くくりつけてきたでしょ。ダメだから。よく当てたよね、マジで。事故だよ、事故。あんなの>とコメントしているが、これは芸人が“盛って”話しているのではない。事実、ドローン出刃包丁で起きた一連の出来事は<事故>としか言いようがなく、あの演出で笑える人はほとんどいないだろう。

 『FREEZE』では、別室にいる松本人志が参加者に与える演出の指示を出し、8人が苦しむ姿を見て高笑いする。前述の会見で松本は<ドキュメンタルでは監視員なんですけど、こっちからいろいろ仕掛けられるのでまあ楽しかった。やってて王様の遊びかなって思いましたね>と語っているが、確かに、『FREEZE』の構図は、「奴隷が虐待されている姿を見て喜ぶ王様」そのものだ。

「強者の価値観」を改めない限り松本人志は炎上し続ける

 前掲「SPA!」のインタビューのなかで、今後の活動について松本はこのように答えている。

<次の映画を撮ることに関しても考えてはいるんですけど、『FREEZE』の評価はひとつの材料になったなぁと思います。おもしろいものを作っても拒絶する人がいる。だったら、僕がいまおもしろい映画を作っても、基本的にはくさされることが前提になるだろうから、じゃあそれをいかに打破していくのか。宣伝の仕方なのかなんなのか。そういうのは常に考えていますけどね>

 『ワイドナショー』での社会的発言がたびたび炎上するのも、『FREEZE』が低い評価に終わったのも、どちらも原因は同じ。「徹底して『強者』の目線に立ち続け、しかし自身の強さに無自覚なまま、『弱者』には何の躊躇もなく侮蔑を向ける」という、松本自身の価値観に根本の問題がある。だが、本人はそれを否定し、向き合おうとはしない。

 なぜ世間から批判されているのかを受け止め、真摯に考えない限り、今後は松本の発言や、松本のつくるコンテンツへの批判が激化していくのではないか。