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SNSで悪ノリ

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教師が生徒から口汚く罵られて手を出した。その様子を別の生徒が撮影しており、動画は瞬く間に全国へ。「ツイッターで(先生を)炎上させようぜ」というまた別の生徒の声が入っていたため、やりすぎだと生徒側が炎上するハメに……。

都立高校で発生した教師の体罰動画の流出。この騒動に限らず、教育現場ではスマートフォンSNSの介在するさまざまなトラブルが頻発している。

教師にも向けられる“いじめ”

SNSの浸透で“いじめ”が重篤化していると話すのは、いじめ問題に取り組む『ジェントルハートプロジェクト』の小森美登里理事だ。

「例えば無視をするといういじめでも、数人レベルだったのが、SNSを使って次の日には学級全体に波及させることが可能になってしまいました。いじめのスピードは速くなり、範囲が広くなったことで、被害生徒をより孤独に追い込んでいます」

当記事は「週刊女性PRIME」(運営:主婦と生活社)の提供記事です

探偵であり、いじめ被害者の支援を行う『ユース・ガーディアン』の阿部泰尚代表は、発信者側のひきょうな防御策が広がっていると明かす。

SNSが普及した当初は、被害生徒を名指しで中傷するケースが多かった。しかし、最近では主語を示さなかったりボヤかすなど、“被害生徒を指した発言ではない”と言い訳できるような小ずるいやり方になってきています」

狡猾な“いじめ”の手法は生徒間だけでなく、教師にも向けられている。

「50代の年配の先生で、授業崩壊している動画がSNS上にアップされたことが数年前にありました」

そう話すのは、愛知県の高校で教鞭をとる30代の男性教諭。学校にはクレームが殺到し、対応に追われたという。神奈川県の高校に勤務する20代の男性教諭は、

「男性教師が女子生徒と2人で写っている写真に“2人は付き合っている”というコメントがつきSNS上に拡散されました。一緒に写っている女子生徒も悪ノリしたのか、“私の彼氏です”とコメントをして問題になったことがありました」

と内情を明かす。

都立高校事件の背景はともかく、教師が“ハメるために撮られる”“撮ったものでハメられる”ターゲットになっているのは間違いない。

学校問題に詳しい高島惇弁護士は、担当した案件でこんな事例があったと話す。

「生徒が新任の女性教師に成りすまし、SNS上でわいせつな画像や学校に関する情報を発信した事案がありました。犯人の生徒はすぐに特定され退学になって収束しましたが、被害教師は精神を病み休職してしまいました」

教師を苦しめるのは生徒だけではない。

「PTAの懇親会で、お酒を飲んで顔が真っ赤になった男性教師が写真を撮られた。その写真の一部を切り取られ、隣に座っている保護者と男性教師が不倫をしているとでっちあげた情報をSNSで拡散されたケースもある」(前出・阿部代表)

モンスターペアレンツの出現もあって、いまの教師は常に“録音・録画されている”との心構えで行動するのが常識になっているという。

「今回の騒動を大きくしたのもほかの生徒が動画を撮影し、ネットに流したためです。先生たちは常に見られていると意識しているはずですが、カッとなって2人の世界に入ってしまったのでしょう」(同)

この事件をめぐっては、生徒の乱暴な言葉遣いにも注目が集まった。キレた理由が何にせよ、教師に対してあの口のきき方はないだろうというものだ。

非行少年の更生支援を行う『チェンジングライフ』の野田詠氏代表は、家庭環境にも一因があると話す。

「学校の行事で教師の話を聞かずに保護者がおしゃべりをしているのに、なぜ子どもが先生の話を聞くのでしょうか。そういった親の姿を子どもはちゃんと見ています。親が教師をなめていて、子どもが先生を尊敬することはできません」(野田代表)

生徒からなめられている

そして、子どもたちには「大人をなめるな」と説く。

「違反をすれば罰則を受ける、授業を聞かなければ学力が伸びない、指導を受け入れなければ礼儀もわからず就職で失敗する。大人をなめることは自分をなめることにつながるんです。結果として社会適応に影響が出てきてしまう。損をするのは君なんだよと伝えたい」(野田代表)

一方、学校現場では教育者としての熱意を失っている教師もいると前出の20代の男性教諭。

「髪を染めるなど校則違反をする生徒が増える時期に入っても、担任の先生が甘くて、何も言わないケースがある。生徒から完全になめられているんです。校則違反をする生徒が多い学校は教師の指導方法が悪いと私は思っています。ここだけは守らせるという共通認識を教員間で持ち、取り組んでいく必要がある」

もし、生徒が突っかかってきたら、教師はどう対処すべきなのか。前出の小森さんは、

「子どもが挑発してくることはよくあること。こっちを向いてほしくて一生懸命、悪さをしてくる。だから教師は、何かつらいことがあるのかもしれないと、寄り添っていくことが必要です。教師にその理解力が求められるのはもちろん、学校全体のバックアップも必要です」

教師の本分は子どもたちを正しく導くことにある。しかし、導くうえでのヒントをキャッチしにくくなっているという。

「休み時間も携帯に没頭し友人と話さない子が多く、友人関係を把握するのが難しくなってきている」(前出・20代男性教諭)

教師にとっては、難しい時代といえそうだ。