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いじめで部活を休退部しても内申書には響かない!

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いかなる理由があろうとも、退部したり休部した場合は「内申点」に悪影響があるとまことしやかに語られる、中学校の部活動。そのため、たとえいじめを受けていても進路を気にするがあまり、休退部という選択を出来ずにいる中学生も数多く存在するのが事実です。しかし、「内申点と部活動は何の関係もない」とするのは、これまで数々のいじめ問題を解決してきた現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。阿部さんは今回のメルマガ『伝説の探偵』でそう判断する理由を明示するとともに、仮に顧問教諭等に「内申点に影響する」などと脅された際の対処法を記しています。

部活動いじめと内申点

(相談者の許可を取っています。)

(相談者の許可を取っています。)

このような相談が全国から数え切れないほど送られてきている。多くの場合、退部も休部もできず、内申に影響すると言われていじめから逃げることもできなくなってしまっているのだ。

一方で、部活顧問はいじめについて何の対策もしていない。部活は本来、学生生活を豊かにするもの。そこが底なしの地獄になってしまってはいけない。

内申点と部活動の関係

内申点とは、通信簿の5段階評価のことである。大きくは、定期テストや授業態度や提出物の3つの要素で決まる。つまり、いくら点数が良くても授業態度が悪かったり、提出物を出さないなどがあれば、5段階評価の「5」はつくことがないということだ。

過去、全体の7%にしか「5」は与えられないというような相対評価は不平等を生む弊害があるとして、現在では目標に準拠した評価となっており、あらかじめ割合を決めて生徒の成績などを割り振るようにしてはならないとされている。仮に未だに相対評価を採用している学校があれば、指導要録をよく確認し、改めることが望ましい。

では、部活動はどうかといえば、確かに内申書には部活動などを記載する欄が存在している。しかし、部活動以外にも生徒会活動や委員会などの活動、ボランティア、英検などの検定試験などを記載する欄であって、部活動をいじめで休部したり、退部したとしても原則的にはマイナスとして記載されることはない

ここは、生徒の不利になるようなことは書かないというのが基本となっている。

現役の公立中学校の教員に内申書と部活動の関係について聞いても、部活動を頑張っているということがあれば記載するが、例えば運動部に所属する生徒が怪我などで活動ができなくなったり、何かの家庭の事情で休部するなどは記載しないとのことであった。

一方で、いじめがありそれが原因で部活動を続けることが難しい状態は、顧問やその他教員の指導力の問題であり、それを被害生徒の責任としてよく理解されていない内申を利用することは絶対に許せないということであった。

つまり、休部や退部などで内申点が不利になるというのは、都市伝説のようなものであり、オバケと同じなのだ。オバケが出るぞ出るぞと脅かしても、実際はそんなものないのだから、恐れることはない(もちろん、信じるのは勝手だが)。

もしも部活でいじめがあり、それに何の対処もなく、いじめが続く場合、部活はいつでも辞めてもいい。辞めるのが難しければ、休部してもよい。それは内申には悪影響することはない

もしも、それでも顧問の教員などが内申書に影響するというのであればしっかり録音して、私のところにでもいいし、学校長や教育委員会、それが信じられなければ文部科学省などに通報してもよい。

一方でそんな教員が同僚にいるならば、是非とも生徒の将来を思う教員の方々には、正確な情報を生徒に伝えて欲しいし、同僚の横暴を中止するよう働きかけて欲しい。

名古屋市名東区中1女子生徒自死事件ではブラック部活問題が確定した

名古屋市名東区中1女子生徒自死事件では、ブラック部活問題が浮き彫りになった。

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不十分な似非第三者委員会の調査においても、当該生徒が所属していた部活動は、インフルエンザで休んでも、怪我で入院しても、部活動を休めば、1日あたり内周を3周走る決まりなどがあったし、早退した場合は掃除を10分間することになっていたことなどを認めている。

とはいえ、これは遺族からの提供された情報でわかったことであり、彼らが自主的に調査して得た情報ではないが…。無能な調査力であっても見出せるほどであるのだからあまりに酷い環境であったことは明白なのだろう。

私が確認する限り、ほぼ10割に近い数値で中学生になれば、何らかの部活動に入ることが当然ということであり、「中学校、高等学校の学習指導要領の総則においては、部活動は、『生徒の自主的、自発的な参加により行われる』とある」という文部科学省の回答を原則とすれば、本当に生徒の自主性や自発的な参加によってこうした高い加入率となっているのか疑わしくも感じるのである。

また、ブラック部活や顧問が不在的な放任部活ではいじめに関する報告が多い。これほどまでに加入率が高く、もはや授業に近い割合で生徒が参加している学校の活動であるのに、緩いガイドラインしか策定されていないという問題もある。

このガイドラインスポーツ庁が運動部などに対して当初策定したものである。

例えば、部活動は平日の活動時間を2時間程度休養日を週に2日程度設けるとかの決まりがガイドラインには書かれている。

こうしたガイドライン通りに部活の運用があれば、ブラック部活は根絶できるかもしれないが、そんなに甘いものではない。スポーツ庁文化庁文部科学省には教育委員会単位や学校長からの報告ではなく、生徒から直接報告を受ける仕組みを作り、ブラック部活に対する根絶を行動に移してもらいたいものだ。

まとめ

部活動でいじめがあるとき、その改善の見込みがないなどは特に、いつでも退部していいし休部してよいそれは内申には影響はしない

いじめの被害者が部活をやめなければならないということではなく、やめるという選択肢があるということは、いじめの被害者が追い詰められない逃げ道があることになろう。

また、ブラック部活などはいじめの温床になっているケースが多い。あまりに活動時間が長く、合理的な理由がない規則は、内申点の観点からすれば、その悪影響は甚大なものになる。

文科省などでガイドラインが公開されているので、まずはガイドラインを確認することが大切なことであろう。

もしも、いじめがあってもその改善もせずに、部活をやめたら、内申に影響するといった脅迫を行う教師などがいればしっかり録音して、私のところでもいいし、学校長や教育委員会文科省などに通報してもよい。何度も書くが、いじめがあって部活動を退部する、休部するのは、内申書には影響しないのだ。

 

編集後記

ガイドライン破りが目立ちます。これは、どの問題でも同じです。

例えば、無給で働いている医師が50の医療機関で2,000人を超えるという「無給医」問題がニュースになっていましたが、実際はもっと多いといいます。

文科省厚労省などが調べに入る前に、フルタイムで休みが無いのに、1日だけ勤務した明細にしてカタチの上では無給では無いようにする不正行為が横行するなど見せ掛けが横行しているのです。

学校の部活動においても、平日は2~3時間程度の活動、週に2日間の休養日とあれば、それギリギリで活動を決めているなどガイドラインが数値を示せばそれに合わせるといった独自性のない対応が取られていたりします。

ガイドラインはその策定にあたり目的があるわけですから、その目的を実現するために運用されていないものは問題化するのが改善の第一歩と言えます。

もう一方で、部活動の大前提は、生徒の自発的な活動ですから、生徒たちに目標があったりすればそれに合わせて数値的な問題は調整されるべきです。

ブラック部活や顧問不在が多く放任されている部活では、いじめについての報告が多いと書きましたが、あくまでこれは私の実感に過ぎません。そこまでの統計はないと言えますが、こうした部活は即座の改善が必要です。学校が自主的に改善できないのであれば、保護者が声を大にすべき問題です。それができないならば、その関係保護者もブラック部活に加担したということになります。

私は以前から、子どもらのいじめは子どもたちがモンスターなのではなく、大人社会の歪みが全ての原因だと表明しています。まさに、その通りなのではないでしょうか。

そして何より、内申点を人質にとり、いじめがある部活動を続けさせるということは絶対にあってはならないことです。内申点に部活動での退部や休部は影響しません。それよりは、授業態度や提出物、今では活発は発言やいわゆるアクティブラーニングの要素がより評価されるので、勉強の方を頑張った方が効率が良いと言えます。例えば英検をとるとか、勉学につながる資格試験などを頑張った方が良いのではと思うのです。

ただ、クラスでいじめがあり、授業がまともに受けられないとか、それに対して担任の対応が極めて疎かというのは大きな問題です。クラス内でカーストがあるとか、あってはならないことなのです。

いじめがある場合の評価(内申)はどうするのか、そうした指針も文科省には検討し、公開、周知してもらいたいと思います。