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いじめの後遺症は成人後まで続く

いじめとは、一定の人間関係がある人からの心理的、物理的な攻撃を受けた人が、精神的な苦痛を感じることです。子どもでは、人間関係が狭く固定化しやすい学校の中で、しばしば生じます。文部科学省は、「インターネットを通じて行われるものも含む」としており、起きた場所は学校の内外を問わないとしています。

 

いじめに遭うリスクはすべての子に

 社会集団では、さまざまな場面で優劣や上下関係が生じます。強い立場の人が、自分より弱い立場にある人を攻撃すると、一方的ないじめの関係が成立しやすくなります。かつての「いじめっ子」と「いじめられっ子」の関係が、それにあたります。

 これに対し、現代では、コミュニケーション力があって社交的な生徒が比較的高い立場にあり、いわゆるオタク的な生徒は低い立場に置かれがちで、暗黙のうちに序列を形成しやすいと指摘されています。この序列によって、いじめがしばしば生じます。また、表面上は仲良くしている子どもたち同士でも、見えないところで陰湿ないじめが行われていることがあります。

 加害者と被害者が頻繁に入れ替わる場合もあります。昨日までいじめる側にいた人が、何かのきっかけで、ある日突然、いじめられるようになることもあります。「ウザイ」「気に入らない」など、 些細ささい な気分的な理由だけで、突然、いじめが始まることも珍しくありません。強い立場の人からいじめられた人が、今度は、自分より弱い立場の人をいじめるという形で、いじめが連鎖していくこともあります。いじめ被害に遭うリスクは、すべての子どもにあると言ってよいでしょう。

「君にも問題」で孤立無援に

 いじめを受けたことを、親や教師にすぐ相談する子どもは、決して多くありません。「いじめられるのは、自分にも問題があるからだ」という気持ちを持つため、「相談するのは恥ずかしいこと」と考えがちなのです。意を決し、親や教師に相談しても、「君の態度にも問題があるのではないか」「そのくらい頑張って克服しないといけない」などと、いじめられた子どもに対して注意をしたり、努力を求めたりしがちです。そうなると、子どもは孤立無援となり、疎外感を強く感じてしまいます。

人格形成に影を落とす

 

激しいいじめや長引くいじめは、被害を受けた子どもの人格形成に大きな影を落とすことがあります。長期にわたって精神的変調をきたすこともあります。

まず、人と関わることに対する強い恐怖や不安が表れ、それが続きます。とくに、同世代の人たちと接することに強い恐怖を覚えるため、いじめが解消したり進学して異なる人間関係に入っていったりした後でも、集団になじめず疎外感を持ち続けることがあります。

対人関係がうまくいかないために自信や自己肯定感が低下し、うつ病を発症することもあります。自分の存在をとるに足らないものと考えて、「生きていてもしょうがない」と自殺を試みる子どももおり、メディアでもときどき報道されます。

 いじめで学校に行けなくなり、そのまま成人期のひきこもりへと移行するケースもあります。就職しても、職場になじめずに仕事を転々とすることが少なくありません。

加害者への治療が必要なことも

 こうした「いじめの後遺症」への対応は、被害を受けた子ども本人はもちろん、家庭や学校にも必要です。

 本人に対しては、自信と自己肯定感の回復を促し、うつや対人関係への恐怖・不安を軽減する治療が必要となります。家庭や学校に対しては、「いじめられる側にも問題がある」という態度を絶対に示さないこと、本人がつらいと感じている事実を重く見て、 真摯しんし に対応することを求めます。

 いじめた子どもにも、精神医学的な対応が必要となることがあります。加害者の中には、自分自身も過去に誰かから心理的・身体的な攻撃を受け、そのはけ口として別の誰かを攻撃してしまう子どももいます。自分がいじめられるのを避けるために、いじめる側についている場合もあります。いじめているつもりはなかったのに、相手から「いじめられた」と言われて戸惑っている場合もあります。

 いずれの場合も、当初は「いじめられた側にも問題があった」という理屈で、自分を正当化することがしばしばあります。自分のとった行動によって、相手が心の傷を負ったという事実を直視させ、場合によっては、いじめた子ども自身の心の傷に対し、治療を行う必要があります。