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「チクる」=「いじめ通報」と捉えることが大事! 周囲の人(傍観者)ができること。

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「チクることはすごく大事」。いじめに対して「なにもできずにいる」という悩みに、「ストップいじめ!ナビ」副代表の須永祐慈さんは、4つの「できること」があると言います。加害者・被害者ではない「周辺の人」ができることについて、聞きました。

 

 

悩み

クラスでいじめがあります。私は気づいていますが次のターゲットにされたくないのでなにもできずにいます。

 

 

多分この子は、傍観者の立場にいるのかもしれませんね。いじめを止めたいけど、止めたらターゲットにされるんじゃないか、そうなると動けない…そうだよね。
実は、いじめって、被害者・加害者だけじゃなくて、その周りにも人がいます。
あなたは心配だけど、動けない立場なのかな。じゃあ、そこでできることを考えてみましょう。
 
少なくとも4つの役割を考えてみてほしいんです。

それは、【通報者・シェルター・スイッチャー・記録】です。

 

「ストップいじめ!ナビ」の須永祐慈さん

「通報」することでチャンスが広がる

まずは「通報」。
チクることはすごく大事です。信頼できる先生のところに話しに行きましょう。先生が気づいてくれたら、いじめに対応してくれるチャンスが広がるので、「言う」って、大事です。
状況を不安に思っている友達がいるなら、数人で行ってもいいですね。「いま起こってること言わない?」と声をかけてみよう。
 
その先生が信頼できるかどうかのポイントはいくつかあります。
まず、話に耳を傾けてくれるかどうか。先生ばかりが質問してきたりしゃべってきたりするんじゃなくて、聞いてくれる先生がいいです。
次に、「内緒にして」と言った約束を守ってくれる先生かどうか。誰もいない場所を確保して、言ったことを内緒にすると約束したりしてくれる先生がいいです。
あと、相談したあとに、その経過を報告してくれたり、細かいことを聞きにきてくれたりしてくれる先生がいいですね。

相談するのは、なにも担任の先生だけじゃなくていいんです。校長先生に直接言うこともアリだし、スクールソーシャルワーカーや、スクールカウンセラーの先生もいます。
 

 

先生が「適切に」関わると少なくなる傾向

もしかしたら、「先生は信頼できないよ」という場合もあるかもしれない。その場合はこの滋賀県大津市のいじめに関する調査の結果を思い出してほしいです。

 

平成28年度 大津市いじめの防止に関する行動計画モニタリングに係るアンケート調査結果

これによると、相談した相手は「親」が一番多いけど、二番目は「学校の先生」なんです。3割くらいは「相談できなかった」と言ってるんだけど、多くの子たちが相談しています。
 
じゃあ、相談してどうだったか。
7割くらいはいじめがなくなったり、少なくなったという結果が出ています。
滋賀県大津市って前からいじめ対策には力を入れて取り組んでるからから、こういう結果が出ている可能性は高いけど、似たような傾向があるデータもあります。

国立教育政策研究所の調査でも、先生にアプローチしたら「なくそうとしてくれた」という回答が4割あります。
そして、動いてくれた結果、そのうち7割くらいでいじめが少なくなったりなくなったりした。
だから、別に大津だけの話ではないんです。
 
適切に先生が関わろうとしてくれると、少なくなる可能性が高い。だから先生に言ってみるのも大事です。

 

図を使いながらいじめの対応について説明する須永さん

廊下での目配せだけでも

次の役割は「シェルター」です。
通報という方法ではアクションできない子もいるよね。その子たちは、「シェルター役」になってはどうだろう。「気持ちの避難所になるようなコミュニケーションの取り方もあるよ」ということです。
 
例えば、いじめの被害にあっている子に「話を聞くよ」と声をかけるだけでも、この子は救われます。
いじめっ子がいないところで、「つらいよね」と共感の声かけをするだけでも、つらさは変わらなくても、ちょっとはその子が「人とのつながり」に気づくポイントが出てくるかもしれません。
直接声をかけたり、SNSでDMしたりしなくてもいいんです。廊下ですれ違いざまに目で合図するだけでも変わります。

その子のSOSを出しやすくすることができることが、とっても大事なんですね。
 
ただ、いじめに向き合うときに注意してほしいのは、「極端じゃなくていいんだよ」ということ。たとえば、加害者以外の子を束ねて、加害者を一斉に無視するようなことがあってしまうと、それは「正義感のスイッチの入れ方」や「行為の選択」を間違ってしまっていることになっちゃう。逆いじめの構造になってしまうので、「一斉に」やる必要はないんだよ。

 

はやし立てる子の気をそらす「まあまあ」

三つ目の役割は「スイッチャー」。
直接アタックするのも難しい、という子が大半だと思います。
でも、いじめを生んでしまっている教室の、その嫌な空気をちょっとでも変えられるような行動をとれるだけでも違ってくるんじゃないかな。

そのために、みんなが「スイッチャー」になることを提案したいんです。
 
直接、被害者や加害者の間を取り持つのではなくて、はやし立てている子たちの興味をちょっとずつそらしたり、思い出す時間をなくしたりする。つまり、「ちょっとした会話の空気を変える・スイッチする」コミュニケーションの取り方ができないかな。

例えば、いじめの被害にあっている子に対して、加害者に近い人たちが「あの子空気読んでないからムカツクし、いじめられてもしょうがないよね」みたいな話をしていたとします。
それを「だめだよ!」と言わなくても、「まあまあ」と話題をスッと変えたり、「もっとおもしろいこと考えようよ」とかいう声掛けで話を軽くそらすことです。

イヤな会話の時間を減らすことで、加害に加わりかけている人を少なくして、距離を取ろうとする外側の人を増やせば、教室の空気も変わっていく可能性があります。
そうすると、加害をしたりしようとする人たちが少しでも減れば、それ以上いじめがしにくい空気をつくっていけるかもしれません。

空気のスイッチをちょっと変えるコミュニケーションが、少しずつでいいからできるといいですね。
 

 

「いつ、どこで、何を見た?どう思った?」記録を

とはいっても、コミュニケーションを頻繁にとれないという子もいるよね。

提案したい4つの役割の最後は、「記録」です。
「目撃したときの記録をとろう」ということです。いつ・どこで・どんな状況で、誰が・どんな顔をしていたのか。そして、見ていたあなたはどんな気持ちだったのかをメモしておくと、匿名でだれかに通報したときにそれが証拠になるし、状況を冷静に把握できる機会になります。
メモが、友達を助けるきっかけになるかもしれない。

 

 

「ストップいじめ!ナビ」の須永祐慈さん

心がけてほしい「ちょっとだけ動く」

少なくともこの4つをやるだけでも状況は変わるかもしれないです。

「ちょっとだけ動く」を心がけることを、ぜひ大事にしてほしい。
 
ただ、状況によっては緊急事態の場合もある。
被害者がひどく落ち込んでいたり体調が悪そうなど「この子この後どうなってしまうんだろう」と心配になるような状況なら、それはあなたのアンテナが「緊急事態」だと受け止めている状態。その時には、なるべく早く、誰かに強く言った方がいいです。

 

心配な気持ち、誰かに打ち明けてほしい

あと、あなたは「自分がターゲットにされたくない」という心配もあるよね。 その不安を誰かに打ち明けるのも大切です。不安だけでも打ち明けていいんだよ。

そういう気持ちを聞いてほしいとき、チャイルドラインなどで、外の人の電話やチャット相談をすることもできます。 内容を内緒にしてくれるし、名前を言わなくていい場合もあるから、安心して聞いてもらって、気持ちを落ち着かせよう。

自分が被害者になるんじゃないかと怖いよね。でも大丈夫、できることはあるよ。

 

最後に。

「自分たちだけで解決したい」という思いがあるかもしれないけど、自分たちだけでいじめを解決するのは限界があるように思います。
その理由は、みんなそれぞれに「言い分」があるはずだから。直接のやりとりだけでは、余計に関係がややこしくなってしまう(こじれてしまう)ことも考えられます。
少し距離がある人に、整理してもらうほうがいいんだよね。

そんな時は、色んな大人を連れてきて、間に入ってもらったり、助けてもらったりすることが一番大事です。
教室に「いい風」が送られるようなことができるといいよね。