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「こども六法」異例の15万部超

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いじめや虐待に悩む子供たちに法律の知識や考え方を身につけてもらおうと、難解な条文を軟らかな文章やイラストで紹介する「こども六法」(弘文堂)が話題だ。発売から約2カ月で、法律書としては異例の約15万部を売り上げている。ベースにあるのは、著者で教育研究者の山崎聡一郎さん(25)による過去のいじめ被害体験。「苦しい思いをしている子供たちに、身を守る手法やSOSの出し方を伝えたい」との願いを込めたという。

■難解な用語を分かりやすく

 「なぜ法律があり、なぜ守らなければいけないのか。法律的な考え方や知識は、子供自身を守るためにきっと役に立ちます」

 梅田蔦屋書店(大阪市北区)で6日に開かれたトークイベント。山崎さんは来場者を前に、著書に込めた思いや問題意識を熱く語った。

 こども六法はA5判202ページで構成。通常の六法(憲法、刑法、刑事訴訟法民法民事訴訟法、商法)のうち、商法の代わりに少年法といじめ防止対策推進法を加え、子供たちに知ってほしい内容を取り上げた。全ての漢字にはふりがなをつけたほか、難解な法律用語などを分かりやすい言葉や表現に言い換えた。

 

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動物のキャラクターなどを使い、子供たちの日常に起きうる法的トラブルを紹介。例えば、スマートフォンで「死ね」と友達にメッセージを送ることは、刑法202条が定めた自殺を唆(そそのか)す自殺教唆罪に、相手がけがをしなくとも、バケツで水をかける行為は同208条の暴行罪に、それぞれ該当する可能性があることなどを描いた。

■身を守る方法を

 著者の山崎さんは小学生時代、手首を骨折するなど暴力を伴ういじめを受けた。当時は分からなかったが、中学生のときに読んだ法律書で、自身の被害は犯罪にあたると初めて気づいた。

 「自分と同じ立場の子供たちに、どうすれば身を守る方法を伝えられるか」。こうした問題意識を持ちながら進学した慶応大、一橋大大学院で法教育といじめ問題解決をテーマとした研究を続けた。インターネットで寄付を募る「クラウドファンディング」で資金を集め、周囲の人々の支援を受けながら今年8月下旬、出版にこぎ着けた。

 子供の自殺や不登校が増えるとされる時期と発売が重なり、反響はSNSを中心に広がった。各地の書店やインターネットで注文が相次ぎ、弘文堂によると、売り上げはすでに15万部を突破。数万部の売れ行きでベストセラー級という法律書の中では、異例のヒットといえる。

■「助けてくれる人はいる」

 本の後半では、「いじめで悩んでいるきみに」と題し、受けた被害を日記に記録したり、壊された物を取っておいたりして証拠を残す具体的な方法を紹介。警察や弁護士、児童相談所などが開設している相談窓口も掲載した。「助けてくれる大人は必ずいるはず。いじめから逃れることを諦めないで」とのメッセージも添えた。

 子供を取り巻く環境は刻々と変化する。山崎さんは「悩んでいる子供の問題解決につなげるため、法教育の大切さを紹介する取り組みを続けていきたい」と話した。1320円。