「草でも食ってろ」 11歳少年がヴィーガンを理由に陰湿ないじめに
あらゆる動物製品を避ける、ヴィーガン。ある少年はヴィーガン生活を続けた結果、いじめの標的になったと話題になっている。今では学校に行けない日も多く、家族は学校の対応の生ぬるさに憤っている。
■ヴィーガン生活を選んだ少年
両親、兄、そして姉もヴィーガン。そんなヴィーガンファミリーと英国バーミンガムで暮らすある11歳の少年は、自らの意志でヴィーガン生活を開始した。
家族は少年の気持ちを尊重し「肉を食うなと命じたことは一度もない」と言い、すでに3年が経過している。学校ではそんな少年が困らないようヴィーガン給食を提供。しかし、メニューが他の生徒たちと異なることで、徐々にいじめを受けるようになる。
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■陰湿ないじめ
ツナサンドイッチを顔になすりつけられたり、「お前なんか草でも食ってろ」などと暴言を吐かれたりした少年。
「肉食を続けるとがんになる可能性がある」と言い返しこともあるが「脅し」と判断されたもようで、教員はいじめっ子ではなく少年を厳しく叱りつけたという。結果、成績もよく学校にもしっかり通っていたものの、登校を渋るようになり、ついには仮病で学校を休むようになった。
■学校の対応に両親が疑問
これまで何度も学校に不安な点を伝えてきた両親だが、連絡しても返事すらないことが、たびたびあったようだ。中には、「いっそのこと、他の学校に移ってはどうですか」と転校を勧めることもあったのだそう。
両親は学校のやり方に、ヴィーガンにこだわる少年こそがトラブルを招いているといわんばかりの態度を貫いていると感じ、いい加減で少年の心を尊重しないと怒りをあらわにしている。
■両親の主張
両親は、ヴィーガンが特別視され偏見を持たれることは多いといい、メディアの取材に応じ「ヴィーガンは変な目で見られてしまう」「これが社会の現状です」ともコメントしている。
また「肉食を続けるとがんになる」という言葉について、両親は「いじめから自分を守ろうとして放った言葉に過ぎない」と擁護。一方で学校側は「いじめは厳しく対処する」というコメントを出しているが、深刻化してからでは遅すぎるとの声も少なくはない。