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いじめで息子を亡くした母親が手記を今年9月に自費出版 ~ いじめられている子に役立ててほしいと…

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2010年にいじめがきっかけで自殺した川崎市立中学3年、篠原真矢まさや君(当時14歳)の母真紀さん(49)が、いじめや学校の事故で子供を亡くした親たちによる手記を、市に寄贈した。手記は真紀さんを含む21組が、当時の心境や学校の対応などを寄稿し、今年9月に自費出版。同市では2月に中1男子が殺害されて以降、いじめなど子供の交友関係の問題が注目されており、「せめて次の命を守りたい。実情を知るのに役立てて」との願いを込めている。(樽田直樹)

 学校が設置した調査委員会の報告書などによると、真矢君とその友人は4人からいじめを受け、日常的にからかわれたほか、ズボンや下着を無理やり脱がされたこともあった。真矢君は10年6月7日、同市麻生区の自宅トイレで硫化水素を発生させて自殺。トイレにあった手書きの遺書には、友人を守れなかったことを悔やみつつ、4人について「決して許すつもりはありません」などと書かれていた。

 遺書には、「困っている人を助ける」「人の役に立ち優しくする」ことを人生の目標にしてきたとも記されていた。父親の宏明さん(51)と真紀さん夫妻はこれを息子の遺志と受け止め、13年、いじめ問題に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」(川崎市)に参加。全国の中学・高校などに出向き、講演会で遺族としての経験などを繰り返し語ってきた。

 夫妻は手記「問わずにはいられない 学校事故・事件の現場から」(B6判、254ページ)に、9ページにわたって経緯や心境などを寄稿した。

 「まわりで見て見ぬふりをするのも、いじめと一緒だ」。真矢君が亡くなった後の教室で教師がそう言ったのに対し、友人が「そんなことは分かっている。でも先生たちだって見てたじゃないか」と反発したことを紹介。月命日のたびに自宅を訪れる友人たちが、止められなかった後悔と自責の念に苦しんでいることに触れ、彼らは「傍観者」でなく「被害者」だと指摘した。

 一方、解決に動けなかった周囲の大人が「本当の意味での傍観者」だったとして、教育関係者に「大切な命を失わせた『当事者』という自覚を持ち、命の教育を推進すること」を求め、最後は「自らの命を絶った子供たちに、『またあの世界に生まれてみたい』と思ってもらえる世界をつくることが、私たち残された者すべての責務ではないか」などと締めくくった。

 真紀さんは3日、市役所を訪問し、福田紀彦市長に本を寄贈。取材に対し、2月の上村うえむら遼太君(当時13歳)殺害事件について「なぜあんなことになるまで周りが助けられなかったのか。SOSを出していたかもしれない」と語り、「真矢の死を絶対に無駄にしたくない。加害者を生まない社会にしなくては」と呼びかけた。

 手記はネット通販サイト「アマゾン」でも購入できる。問い合わせは出版代理店「L.C.研究所」(06・6430・9306)。