子どもの「陰湿いじめ」生む大人社会!
「日本では「仲間外れ」「無視」「陰口」といった暴力を伴わないいじめの割合が高い」
子どものいじめ問題に関する報道が後を絶たない中、先日、朝日新聞でこんな内容の記事が報じられた。
おおまかには以下のとおりだ(抜粋し要約)。
例のごとく、報じられるや否やネットでは「子ども言動はいつの時代も大人社会の縮図」という意見が出る一方で、
・なんでもかんでも海外と比較するな
・本当にやったのか、こんな調査?
・大人もしてるから……と、するのはおかしい
・暴力より無視のほうがいいじゃないか
……etc. etc
などの批判が相次いだ。
これらの声は、この記事の中で紹介されている国立教育政策研究所の研究官のコメント、
「仲間外れや陰口などは大人もしているから大丈夫と子どもが感じているのではないか。原発事故に遭った子を『賠償金をもらっているだろう』といじめるのが一例だ」
という一文に噛み付いたのだ。
この発言の真意についてはのちほど詳しく書くが、「仲間外れや陰口」は大人社会に実際に存在する。少なくとも私は根も葉もないウワサを立てられたり、陰口を言われたりした経験がある。自分だけ忘年会などに声をかけてもらえなかったこともあった。
被害妄想? ふむ。私の場合はその可能性もある。
ただ、これまでインタビュー調査に協力してくれた「パワハラ被害者」の方たちのほとんどは、ソレの被害者だった。陰湿であるがゆえに、肉体的な暴力以上に本人たちを苦しめていた。どれもこれもかなり“幼稚ないじめ”だった。
「いじめ」を「パワハラ」という言葉に置き換えてみて欲しい。
いじめで学校に行けなくなる子ども、パワハラで会社に行けなくなる大人。
どちらも、誰もが被害者になるリスクもあれば、加害者になる可能性もある、深刻な社会問題である。