誰だって人に言えない、だけど本当は人に聞いてほしい悩みを持っているもの。ニューヨークの小学生、Ciroくんもそんな悩みを抱えていた経験があるそうです。

11歳の彼は学校でいじめを受けていました。そのとき「人に相談することはとても大切なことなんだ」と感じたCiroくんは、自分も人の相談に乗ってあげる立場になろう、と決意。

そして彼は、ブルックリンの地下鉄のホームで日曜日の12時から14時までの2時間、カウンセリングデスクを開くことにしたのです。

EMOTIONAL ADVICE
(心のお悩み相談)

1回5分で相談料は2ドル(約200円)。 地下鉄利用者の悩みを聞いてアドバイスを送るのが彼の仕事。

段ボールに「EMOTIONAL ADVICE(心のお悩み相談)」と書かれた看板を掲げ、机と椅子を用意。ここでCiroくんは大人の相談に乗るのです。

ある日、Ciroくんはある夫婦から相談を受けました。夫は、妻が極度のベジタリアン主義であることを不満に思っていたのです。そこで、Ciroくんはこんなアドバイスをしました。

「奥さんは、あなたが肉を食べることに腹を立ててはいないのでしょう?彼女は彼女の好きなものを食べて、あなたはあなたの好きなものを何でも食べられるのだから、そうしてやっていくしかないですよ」

「素晴らしい人たちに
会ったんだ!」

だからと言って、Ciroくんも初めから自分のやっていることに自信を持っていたわけではありません。いじめられていた過去があるCiroくんのことを、お母さんのJasmineさんは「とっても繊細な子で、とてもつらい時期もあった」と語ります。カウンセリングデスクを開いたばかりの頃も、最初はまったく自信がなかったそうです。

でも、何週間か経ったある日、帰ってきてこんなふうに言ったそうです。

「今日、素晴らしい人たちにたくさん会ったんだ!最後にはみんなと友達になったんだよ!」

地下鉄は決して治安がいいとは言えず、子どもがひとりで出歩くのが難しいNYでは、彼のやっていることは特に珍しいことでもあります。そんな彼をいつも応援しているのが、彼の両親。

ちなみに、お悩み相談で一番多いのは「変化への恐れ」なんだとか。それについては、こうアドバイス。

「僕たちは変化を受け入れなければいけない。人生はつねに変化しているんだ。それが何であれその変化に慣れるべきだし、過去を振り返って『今より良かったね』なんて言うのはやめるべきだよ」

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