「証拠を教師に捨てられた」いじめ隠蔽の数々
学校は「変えよう」と思えば変わる
先日、教育委員会にいたことがあるという先生からお話を伺いました。
2012年に大津のいじめ自殺事件が大きく取り上げられてから、教育委員会の姿勢は大きく変わっています。
それまでは、いじめを問題にしないための方法、あるいは、裁判になった場合の対処方法などの研修が行われていて言わば、『いじめはなかったことにする』のが当然という姿勢でした。でも、今は違います。いじめは起きて当然という考え方を持っています。いじめは『起こり得ること』なので、情報は隠さないこと、いじめを解決することに主眼を置くという姿勢です。当然、いじめ認知件数についても正確に報告するようになっています。
今、少しずつ、教育界が変わりつつあるということだと思います。しかし、この先生が働いておられる市のような対応はまだまだ少ないのではないかと感じています。
3月2日、横浜の原発いじめ事件についての更なる不手際が報じられています。横浜市の再発防止を協議した市教育委員会が、議事録を作成せず、録音データも一部消去したというものです。更に教委の総務課長は「感性が鈍かったと反省している」と述べたと東京新聞は伝えています。
「感性が鈍かった」のではなく、「故意ですよね」と言いたくなってしまいます。「いじめ隠しとしてあれだけ報道されても、いまだ「隠蔽体質」から脱却しようとする姿勢がたりないように見えます。他にも、昨年の仙台中2いじめ自殺事件でも、教師が生徒に対して、LINEの履歴を消去するように指示していたことも分かっています。私たち保護者としては、「ひどい体質の学校、教育委員会は、証拠隠滅を図る」ということを知っておかなければならないのが現実です。
いじめ相談を受けていてもよく聞く話です。
「担任に連絡帳を渡したら焼却されました」
「証拠の体操着を捨てられた」
「先生と一緒にいたのに、私は見ていませんと後から言い出したんです」
子供のことよりも組織を守ることが大事だと考えている教師があとをたたないのです。
一方、沖縄県那覇市の小学校の「いじめの認知件数」が1月現在、昨年の327件から13倍もの4,338件となっています。報道によれば、文部科学省がいじめの認知漏れを根絶することを目的とし、いじめの認知件数の多い学校は「いじめが多い」のではなく「いじめを積極的に把握し、解消に向けて取り組んでいる」と評価するとした方針転換が大きな理由としてあげられています。
前述した先生のいらっしゃる教育委員会のように「変えよう」と思えば変えることができるのです。「子供たちを守ることが第一である」という考え方を、教師にも、そして私たち保護者も共通認識とし、徹底していきたいと考えております。