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『首長族』とか『死んでる人みたい』とか言われてました。16歳の決意

定期異動が9月の読売新聞社ではこの時期、あちこちで送別会が開かれています。私が先日、飲み交わした異動組の同僚は「考えると不安で仕方ないから考えないようにしている」と話していました。

新天地に赴く前は、期待と不安が入り乱れるもの。ただ、そのどちらをより強く感じるかは、人それぞれのようで、プロのバレリーナを目指し、9月からイタリアのバレエ学校に行く大阪府和泉市の森本百望花ももかさん(16)は、「ウキウキしてます! あちらでは毎日がオーディションと思って頑張ります」。挑戦が楽しみでしようがないといった様子で、抱負を語ってくれました。

3歳でバレエを始め、府内のバレエ教室に通う森本さんは、通信制の高校2年生。バレエの魅力を聞くと、弾むような声で、「頭の先から足の先まで集中させて、ちゃんとできた時の達成感が、もう……すごいんです」。

 そんな森本さんが9月から5年生として通うのは、イタリア・ナポリにあるバレエ学校。欧州最古の歌劇場「サン・カルロ劇場」付属の名門校で、ビデオオーディションで6月、日本人として初めて合格しました。

 学校は8年制で、毎年、進級試験があり、卒業後はさらに狭き門のプロのバレエ団の選抜が待っています。

 「どんどん、人が削られていく厳しい世界で、毎日が勝負と思っていないと生き残れない。でもバレリーナになる夢に向かって、成長していけるのがすごく楽しみです」

 重圧をバネにできる、すごい子だなあと思いました。この精神的強さの源は何だろうと思いながら話を聞いていて、途中で分かりました。

 森本さんは、小学校高学年から中学時代まで、学校でいじめを受け続けていました。

 「私、首が長くて色が白いので、一部の人から『首長族』とか『死んでる人みたい』とか言われてました。『死ね』『おまえ、いらんねん』と暴言を吐かれたり、イスを投げられたりしたこともあります。でも、いじめがあったから、自分は強くなれた。『なにくそ』と思った気持ちがバレエに向かったので」

 学校から泣いて帰り、そのままバレエに行って、笑顔になる。それが日常だったそうです。

     ◇

 16歳の確固たる決意と胸躍る挑戦に、こちらの心まで熱くなりました。人に話を聞くのが仕事でよかったなあと思うのは、こういう時です。

 お母さんによると、森本さんの名前に込めた思いは、「たくさん(百)の人に希望の花を咲かせられる人に」。

 その名の通りのバレリーナが、そう遠くない将来、誕生するかもしれません。