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130人の目に さらされた SNSいじめ

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インターネットを使った会員制交流サイト(SNS)を中学生も使う時代だ。以前なら出会えなかった友人ができる一方、「書き込み」や「動画」拡散による暴力やいじめも生まれている。金沢市の中学一年の男子生徒(13)は昨年五月、同級生に暴行され、撮影した動画を無料通信アプリ「LINE(ライン)」で拡散され、心に傷を負った。保護者はどうすれば、子どもを「守る」ことができたのか-。(小坂亮太)

 男子がラインを始めたのは、被害の約一週間前。中学に入って友人に誘われ、両親は「仲間外れになるとかわいそう」と、自宅だけに限定し、母のスマートフォンなどの使用を認めた。定期的にラインのやりとりを見た母は「数人でゲームのことなどを、楽しそうにやりとりしていた」と振り返る。

 脅しと誹謗(ひぼう)の書き込みは動画を拡散された前日、初めてあった。男子は親には伝えず、抗議に向かうと、公園で複数の同級生から暴行を受けた。動画を撮影され、中学生約百三十人が参加するラインの「グループ」に投稿され、「ワロタ(笑った)」と嘲笑された。

 男子は心的外傷後ストレス障害(PTSD)で、約九カ月たっても登校できない。「どうしてこんな酷(ひど)い事をするんだろうと、ショックで死にたいと考えたり、ずっと落ち込んで自分を責めていました」。現在の心境を手紙で、マスコミに初めて明かしてくれた。

 どうすれば守れたのか。「どんな友人とつきあっていて、ラインでどんなグループに入っているかまで確認しないといけないのかもしれない」。考えた末、父はそう言葉を絞り出した。

 SNSを使うに当たり、「人の悪口を書き込んだり、いじめの道具に使ったりしてはだめだよ」と男子に教えたという。だが、そう教えられていない子もいるのが現実だ。

 SNSが想像を超えていたということもある。「よその学校も交じった百三十人の『グループ』があるなんて耳を疑った」。父は、SNSでわが子が被害に遭うことは人ごとではないと同世代の親に訴える。「軽はずみなことをして、人を傷つけてはいけない。SNSの怖さを、大人が子どもに教えていくしかない」

ネット上の被害 6年で3倍以上

 文部科学省の調査によると二〇一六年度、パソコン通信や携帯電話の利用を通じた小中学校と高校、特別支援学校での「いじめの被害件数」は一万七百八十三件だった。一〇年度の三千五十一件と比べて三倍以上に増加している。

 石川県小松市は昨年十月、ネットの使い方を考える「中学生サミット」を開き、日ごろ仲良くしていても、ラインで悪口を言われることを寸劇で紹介するなどした。参加した生徒は、ネットは感謝を伝えやすい面がある一方、人間関係を悪くすることもあるといった感想を述べていた。