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出版社8社全てが「いじめ」を取り上げ 2019年度から使われる新しい教科書

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2019年度から使われる新しい教科書の検定結果が27日公表された。中学校の道徳では全ての教科書でいじめの問題や、インターネットの適切な利用に関する題材が取り上げられた。高校の教科書には流行したアニメや音楽も登場し、世相を映し出す内容となった。

全社取り上げる

 19年度に「特別の教科」になるのに伴い、初めて検定を受けた中学校の道徳の教科書は、8出版社全てが「いじめ」を取り上げた。11年に大津市で起きた中学生のいじめ自殺が教科化のきっかけで、学習指導要領はいじめについて「解決に向けて取り組む態度を育てる」と明記している。文部科学省は「身近な問題として自分にひきつけて考えさせる教材が多い。小学校に比べ、より複雑で深刻なテーマを取り上げている」と解説する。

 多くの教科書が、いじめをテーマにした読み物を扱う「直接教材」と、友情や思いやりなどを描いた作品を通していじめについて考えさせる「間接教材」を均等に取り上げた。

 文科省が作成して14年度から副教材として活用された「私たちの道徳」に掲載されている「卒業文集最後の二行」は五つの教科書が収録。小学6年の時に級友をいじめた筆者が、その子の書いた「私が一番ほしいものは、本当のお友達」などという作文の最後の2行を読んで涙し、大人になった今も悔いているという内容で、「いじめや差別が起きる原因は何か」などを考えさせる。

ネット適切利用考え議論させる

 道徳では、メディアリテラシー(メディアの情報を読み解き精査する力)や情報モラルへの理解を深めるため、全ての教科書にスマートフォンソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を扱った教材が取り入れられた。

 東京書籍は、友人にSNSで送った高校の合格通知の写真が拡散され、不合格になった別の友人がそれを見て不快な気持ちになった話を紹介。廣済堂あかつきは、「変顔(へんがお)」の写真を一緒に写した友人に断らずに別の友人に送り、一緒に写した友人を怒らせてしまう話を採用した。いずれもインターネットやSNSを利用する際に気をつけるべきことを議論させる内容になっている。

 また、光村図書は「ネット依存について考えよう」と題したコラムを掲載。ネットゲームの依存について報じる新聞記事を読ませ、スマホの適切な利用を考えさせている。

高校英語、4技能に目配り

 高校の英語は「コミュニケーション英語3」と「英語表現2」の2科目29点が合格した。学習指導要領が育成を掲げ、大学入試でも今後重視される「読む・聞く・書く・話す」の4技能を伸ばすための工夫が各所に見られた。

 コミュニケーション英語3の三省堂の教科書は、題材を聞いたり読んだりした後、内容について話し合う活動を取り入れた。賛否の例文を掲載し、生徒が自分の意見を考えるヒントを与えている。啓林館は教科書の冒頭に、英語力の国際指標とされるCEFR(セファール)の表を載せ、自分の4技能がどのレベルにあるかを確認できるようにしたほか、取り上げた練習問題のレベルも分かるようにした。

 一方、練習問題に「各種の資格試験などでよく出題される」と紹介したり、大学入試の過去問と分かる印を付けたりしたものは検定意見が付き、各社はその部分を削除した。文科省教科書課の担当者は「問題練習の目的が本来の4技能を高めることではなく、資格試験や大学入試のためと誤解される恐れがある」と理由を説明した。

ネット引用、信頼性は?

 教育出版の中学校道徳には各学年とも「都道府県にゆかりのある人物と、その言葉」として著名人の名言が掲載された。うち8人について、引用元がインターネットの個人運営などのサイトであることから「信頼性のあるものが選ばれていない」と検定意見が付き、他の言葉や人に差し替えられた。

 2年の島根県の欄は、テニスの錦織圭選手の「自分の中に何か一つあれば強くなれる」だったが、管理者不明で誰でも書き込めるサイトから引用していた。検定意見を受けて、医学博士・永井隆の「如己愛人(にょこあいじん)-己の如(ごと)く人を愛せよ」に変更した。教科書検定でも情報の真偽を検証する「ファクトチェック」が重要になっている。

君の名は。」やイシグロ作品も

 話題となった映画や音楽、文学も高校の教科書に登場した。

 日本文教出版は美術3の「アニメーションの技法」で、連続する絵を1枚ずつ描いて動きを表現した作品として、16年に公開され、邦画で歴代2位の興行収入を記録した「君の名は。」(新海誠監督)を取り上げた。14年公開の三次元コンピューターグラフィックス(3DCG)によるアニメ「STAND BY ME ドラえもん」(八木竜一、山崎貴監督)も併せて掲載し、作風の違いによるアニメの楽しみ方を紹介した。

 教育出版は音楽3に「空の声が聞きたくて……」と桐谷健太さんが歌う携帯電話会社のCMソング「海の声」を載せた。

 第一学習社のコミュニケーション英語3は、17年のノーベル文学賞を受賞した長崎市生まれの英国人作家、カズオ・イシグロさんの「チェリスト」を収録した。