いじめ… 埋もれた声発見期待…熊本県立中高校

熊本県教育委員会は２６日から、インターネットの「いじめ匿名通報アプリ」を、県立の中学・高校全５６校を対象に導入する。同アプリは、県内の中学・高校計４校で、昨年９月から今年３月まで試験導入されていた。

　県内では２０１３年８月、県立高校１年の女子生徒（当時１５歳）がいじめをうけた後に自殺した。無料通話アプリ「ＬＩＮＥ（ライン）」への書き込みを巡って同級生とトラブルになったという。検証した調査委員会が、生徒に対するスマートフォンの適切な利用方法の指導などを提言した。

　アプリはスマホやタブレット端末に対応し、匿名で利用できる。「学校名」「最近心配な人」「状況」などは必須の記入項目で、「イヤなことをしていた人」は任意。書き込みがあれば開発業者を通して県教委に届く。

　１８日に開かれた県教委の会議で導入を報告した。アプリの開発業者は効果について、▽埋もれていた声を発見する▽早期発見・解決▽アプリの存在が抑止効果になる――などを挙げた。

　県教委によると、９～１２月に５８件の書き込みが寄せられた。「プロレスごっこ」のような事案が報告され、学校は関係する生徒から話を聞き解決させたという。県教委は「アプリを有効活用し、埋もれたいじめの発見、防止に努めたい」としている。