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いじめ隠蔽メモ 教育者なのに…

これが教育に携わる者の所業か。中学生の自殺に関する聞き取りで、いじめに関するメモが隠蔽(いんぺい)されていた。

 あまりの無責任さに、憤りを覚える。子供を守るべき学校に、あるまじきことである。

 平成28年、神戸市立中学3年の女子生徒が自殺した。学校は他の生徒から聞き取り、いじめの内容を記したメモを作った。遺族は知りたいと望んだ。当然である。

 当時の校長は昨年3月、市教育委員会の首席指導主事に相談し、メモは残していないと遺族に答えた。市教委は生徒の自殺直後に設置された第三者委員会にも、メモは存在しないと報告した。

 実際にはあった。悪質極まりない隠蔽である。その動機には、あきれるほかない。

 校長から相談を受けた主事は、「(遺族への)情報開示が終わっているので今さら出せない。出せば事務処理が増える」とした。

 遺族の申し立てで、神戸地裁による証拠保全手続きがなされた。その際も主事は「先生、腹をくくってください」といい、校長はメモを提出しなかった。

 仕事が増えるのがいやだといっているのだ。隠蔽を指示した主事も、唯々諾々と従った校長も、言語道断である。

その後の対応も非難される。後任の校長がメモの存在を指摘し、昨年8月、当時の教育長は調査を指示した。しかしその後は報告を求めず、放置した。

 教育者が生徒の死の原因を伏せる姿は、醜悪である。未来のある中学生が亡くなっているのだ。悲劇を二度と繰り返さないために、学校も市教委も徹底的に原因を究明し、再発の防止に汗をかくのが当たり前ではないか。

 林芳正文部科学相は「二度と同じことが起こらないよう指導したい」と述べたが、生徒の死をないがしろにしたのだ。彼らは、教育者の名に値しない。

 平成25年にいじめ防止対策推進法が施行され、いじめを防ぐ環境は整ってきている。28年度の小中高校、特別支援学校のいじめ認知件数は、32万件超と過去最多を更新した。いじめを見逃さない姿勢の表れともいえる。隠蔽は、何の解決策も生まない。

 いじめのない学校を築いていくことは子供と大人の共同作業である。事実を闇に葬る大人を、子供は信用できない。