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市教委の罪

2016年10月に神戸市立中学3年の女子生徒が市内の川で自殺した。丘陵地にある住宅街を隔てるその川辺から見上げた空は周囲の建物に挟まれ、狭かった。彼女が死を決意し、どんな思いでこの場に立ったかを考えると胸が詰まった。

 

 女子生徒の自殺を巡って今年4月、学校が同級生6人から聞き取ったいじめの内容を記録したメモを、市教委が内部で隠蔽(いんぺい)していたことが発覚した。「事務処理が煩雑になる」。担当の市教委職員はそんな理由でメモの隠蔽を当時の学校長に指示。亡くなった生徒の思いを少しでもくむことより、自らの保身と都合を優先していた。

 市教委の第三者委員会はいじめを認める一方で、自殺との因果関係を不明とする報告書をまとめていたが、隠蔽の影響で信頼性が根本から揺らいだ。その結果、市長の判断で再調査することが決まった。人の記憶は年々薄れ、状況も変わる。たとえ遺族が望むような結果が出たとしても「加害者の生徒への教育上の効果は薄い」と専門家は指摘する。

 高校に進んだ女子生徒の同級生たちはもう次の進路を考える時期だ。なのに、いじめの真相解明は市教委による背信行為で、回り道をしたあげく、2年近くたってスタート地点に再び戻った。市教委の罪は限りなく重い。