クラス替えはガチャ 外れても、あなたは絶滅危惧種
「クラスになじめなくても、単にガチャが外れただけ。あなたは大事な人」。ツイッターで人気の「はるかぜちゃん」こと春名風花さんは、いじめなど学校の問題で積極的に発信を続けています。いじめで自尊心を傷つけられると、「自分には価値がない」「自分ごときが話しかけてはいけない」と、思い込むことがあります。春名さんは、心を守るために、ある言葉を叫んでほしいと提案します。(朝日新聞デジタル編集部記者・原田朱美)
全部読めなくてもいいです、これだけ覚えておいて
【春名風花さんのメッセージ】
・朝起きたら「自分すごい」って叫べ
・学校ガチャが外れても「なんで私の魅力に気付かないんだ」と思ってほしい
・生きていたら、誰かを幸せにできる。そこに存在価値はある。
春名さんが先日出版した絵本「いじめているきみへ」(朝日新聞出版)
ウナギよりすごい絶滅危惧種
いじめられている子にいま伝えたいのは、「朝起きたら『自分はすごい』って叫べ」です。
いじめは自尊心を奪います。それに対処するには、自分はすごいって言い聞かせるしかない。
でも本当にすごいんですよ。あなたがいなくなったら、その種は途絶えてしまうわけで。ウナギよりも貴重な絶滅危惧種です。
学校は、同じ地域にいる人間が同じ年代ってだけで集められて、ひとつの箱に入れられている。
そこでみんなと仲良くなるのは、ほぼ不可能。むしろ仲良くできているのが気持ち悪いレベルです。
ぼくは今、単位制の高校に通っていますが、クラスがないので、とても快適です。
学校ガチャが外れても、あなたの魅力は変わらない
そのコミュニティーでうまくはまらなかった時は、「ガチャが外れたな」って思えばいい。「学校ガチャ」です。
だって、絶滅危惧種であるあなたを認めてくれないのは、おかしいんです。「なんで他の人は私の魅力に気付かないんだ」くらいに思ってほしい。
そう思うのは難しいかもしれないけど、あなたが1人しかいないのは本当だから。
ぼくは0歳から芸能活動をしているので、大人とのつき合いの方が多い。
大人を見ていていいなと思うのは、自分である程度コミュニティーを選べることです。ポジティブなところでつながった人間は、お互いを認め合える。
そういうところに行けるまで、生きてほしいなと思います。
生きていてほしい理由
幸せを目指すためなら、ぼくと違う考えでも構いません。
いろんな人の意見を聞いて、いろんな人間のサンプルを集めてみてください。
「生きていたら幸せになる」というのは、ぼくは違うと思っています。
生きていたって幸せになれない人はいる。
ただ、生きていたら誰かを幸せにできるかもしれない。そこに存在価値はある。
だからこの世界にいてほしい。
それが、ぼくの願いです。
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俳優・声優。9歳から始めたツイッターが人気。8月20日に絵本「いじめているきみへ」を発売。17歳。