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郵便局社員がいじめ

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肉を焼くためのトングが凶器になった。

 懇親会場だった焼き肉店で、後輩社員に熱したトングを押し当ててけがをさせたとして、大阪府警東署は7月、傷害容疑で日本郵便天王寺郵便局の社員の男2人を逮捕した。事件の発端は、後輩社員が繰り返す仕事上のミスだった。それまでも、職場には後輩をいじるような空気があったというが、この日の2人の行動は一線を越え、悪質ないじめに変わった。

行き過ぎた“指導”

 傷害容疑で逮捕されたのは、天王寺郵便局の非正規社員の男(53)と正社員の男(43)。2人は同じ部署に所属し、後輩である20代の男性社員に暴行を加え、けがをさせた疑いが持たれている。

 3月2日夜、大阪市中央区のある焼き肉店。3人が所属する部署の慰労会が開かれ、二十数人がロースターを囲んだ。

 店は貸し切りで、アルコールが入るにつれ、宴は盛り上がりをみせていった。しかし開始から約2時間後に被害男性が遅れて姿をみせると、宴席は異様な雰囲気に包まれていく。

 「また失敗したのか」。仕事上のミスをなじる声が響き、年上の非正規社員の男が男性を羽交い締めにした。そして年下の正社員がトングを熱し、被害男性の首筋に押し当てたのだ。

 暴行はさらにエスカレートする。2人は同僚が履いていた靴下を脱がせて男性の口に突っ込み、服の中に氷を入れた。ミスをとがめる行為というには、明らかに行き過ぎていた。

 被害男性は後日、上司に相談。しかし取り合ってもらえなかったとして東署に被害届を提出した。

「給料泥棒」

 府警が他の同僚らに事情を聴くと、背景が浮かび上がってきた。

 被害男性は普段から、誤配送や集金ミスなど業務上の失敗を繰り返し、そのたびに同じ部署の社員らが事後処理のための残業を強いられていた。

 それだけでなく遅刻も目立ち、「反省の態度は示すが、また同じミスをする」と話す同僚もいるなど、職場では不満が募っていたという。

 以前から職場や懇親会の場では逮捕された2人を含む複数の同僚が被害男性に「給料泥棒」「辞めてまえ」などの罵声を浴びせていた。

 他にも、殺虫剤をかける▽靴下の臭いをかがせる▽頭をたたいたり尻を蹴ったりする-といった行為もあったが、「いじり」のレベルで、「本人もいじめられているという認識はなかったようだ」(捜査関係者)。

 しかしその夜は違っていた。熱したトングを押し当てられた男性は、全治1週間のやけどを負った。エスカレートしたいじりは、ついに刑事事件となった。

命令に背けず?

 事情聴取の結果、ある構図が浮かび上がった。

 捜査関係者によると、正社員の男は「(被害者のことは)嫌いではなく、むしろかわいがっていた」と供述。「申し訳ないことをした」と容疑を認め、被害者にも謝罪したという。

 年上の非正規社員の男については「リーダーシップがあり、勤務歴も長いので職場での立場は上だった。命令には背けない雰囲気があった」と説明。「暴言や暴力で指導しているのをみて、私を含めた同僚も同じようなことをしていた。今回の事件も指示があったわけではない」と話した。

 一方の非正規社員の男は、被害男性について「同じミスを何度も繰り返し、叱責しても飄々(ひょうひょう)とした態度で反省している様子がなかった。ミスをみんながフォローしていたのに注意しても改善されなかった」と供述。焼き肉屋での傷害容疑については「酒には強いが、当日のことは酔っていて覚えていない」と容疑を否認している。

 2人は逃亡の恐れがないとして釈放され、在宅での捜査が続いている。被害男性は調べに「普段の仕事でミスが多く、よく叱責されたり、暴行を受けたりしていた。その積み重ねがエスカレートしたんだと思う」と話しているという。

 捜査関係者は「誰かが主導したわけではなく、被害者をいじる雰囲気ができていた。いじりといじめの境界が曖昧になり、ついには傷害事件にまで発展してしまったのでは」と指摘した。

 事件には、他の同僚も関与した可能性があったが、府警は立件を見送り、日本郵便による内部調査が続いている。被害男性と逮捕された2人は示談に向けた話し合いをしているという。