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いじめにAI導入、されど人間の役目は忘れるな!

日本全国の小中高校のいじめ認知件数が、41万4378件(2017年度)と過去最高を記録した。

統計の取り方についてはさまざまな意見がある。それでも「学校」という青少年が集まる環境に対して、社会が何かしらのアクションを起こす必要があるということを強く印象付ける数字となったことだけは間違いない。

では具体的にいじめはどうすれば解決するだろうか。そもそも、人間社会においていじめをなくすことはできないという意見もあるが、米国やカナダではテクノロジーを使うという観点に注目する向きがある。

「いじめ検知」「電子タバコ検知」など、学生たちの学校生活を管理する製品の導入が進んでいる状況がその一例となるだろう。なかでも、キーワードとなりつつあるのが人工知能(AI)である。

米国では、学生のうち4分の1以上がいじめを受けた経験があるという。一方、電子タバコの使用経験がある学生は約210万人。そのいじめや喫煙が多く発生する空間が「学校のトイレ」で、学校側はドアを取り外したり、モニターを設置するなどして抑止に励んできたものの、施策はいずれも大きな効果がないという結果に終わっている。

そこで注目を集めているのが、Soter Technologiesが開発した人工知能と連動したセンシング装置「フライセンス」だ。すでに米国とカナダにある200以上の学校で導入・活用されており、CEOのDerek Peterson氏によれば、「今年9月だけでも400台以上売れた」ほど好評を得ているという。

そもそもフライセンスは、いじめ検知のために開発された。例えば、学校のトイレで普段のレベル以上に騒音が発生した場合、ケンカやいじめがあると判断するという具合だ。加えて電子タバコが流行すると、学校側が喫煙行為を監視する機能を要求。いじめと電子タバコの双方を監視する製品として生まれ変わった。

フライセンスは、マシンラーニングで煙を認識できるよう学習。いたずらによる偽の煙と本物を区別したり、クラウドと連動することで電子タバコメーカー別の製品の特長、各学校の状況などを学び賢くなっていく。その摘発精度は70〜80%に達するそうで、喫煙やいじめを検知すると、校長や担当教員に自動的に通知される仕組みとなっている。

来年の春には、電子タバコの端末から出る煙がニコチンなのか、THC大麻の成分)なのか区別できるようにバージョンアップも予定されているという。

とはいえ、仮にフライセンスなどが普及することで、「テクノロジーでいじめを根絶できる」とする主張が出てきたとすれば、それはエンジニアやテック原理主義者の理想論や妄想でしかないだろう。

あくまで、いじめや喫煙など規則を破るという行為に対する管理は、人間の社会性、道徳、リーダーシップなどと関連した教育問題として捉える必要があり、学生と教師、学生と学生、学生と親、学生と地域社会など、人間対人間のやりとりで解決されうるべき問題だ。

目標とするのは、「自覚」を促すことである。おそらく、いかに高精度な検知システム(未来的には教育用やコミュニケーションロボット)が介入したとしても、その自覚は生まれないはずで、最終的に向き合うのは人間の役割となるはずである。

それでも、その肝心要の人間の「目が行き届かない」という状況を、テクノロジーは支援してくれるだろう。言い換えれば、いじめの克服を完全に自動化することはできないが、テクノロジーと協業する体制はつくることができるということだ。今後、日本の教育現場においても、人工知能などテクノロジーの有用なユースケースが、国ごと、地域毎、また各学校ごとに登場してくるのを期待したい。