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中学校でいじめられると失業者になる

 学校において長らく深刻な問題になっている“いじめ”だが、特に中学校時代のいじめ体験は、後の人生を左右しかねない重大な影響を及ぼすことが最新の研究で報告されている。

中学校でいじめられると失業者になる可能性が35%上がることが判明! 学力も収入も低く… 人生が台無しに!の画像1
イメージ画像:「Gretty Images」

■いじめられ体験は後の人生にネガティブな影響を及ぼす

 4月15~17日にかけて英・ウォーリック大学で開催された王立経済学会(Royal Economic Society)の年次カンファレンスにおいて、思春期のいじめに関する最新の研究成果が報告されている。

 英・ランカスター大学、豪・ウーロンゴン大学、シドニー大学の合同研究チームは、イギリス国内の14~16歳の生徒7000人以上を対象にいじめの実態を調査し、その影響を長期にわたって追跡調査した。収集したデータを分析した結果、この時期にいじめられた体験は後の人生にネガティブな影響を及ぼす可能性が高いことが突き止められた。

 研究でまず明らかになったのは、いじめが学業の場に広く深く浸透している事実だ。調査対象となった生徒の半数はいじめに関する何らかの体験をしていた。

 そして無視できないのは、いじめられた体験が後の人生に及ぼす影響だ。この時期にいじめられた体験を持つ者は、義務教育終了時の全国統一試験(GCSE)で、5つ以上の科目で良好な成績を収める確率が10%低減しており、また得意科目において「A」を維持し続けられる可能性も10%低くなっていた。つまり、いじめられる体験によって学力が低くなる傾向が見られるのだ。

 その後、25歳の時点での影響は、さらに注目されるものになった。14~16歳の間にいじめられた体験を持つ者は、25歳の時点で定職についていない確率が35%高まり、職についていたとしても収入は平均よりも2%低くなっていた。加えて、いじめられた体験を持つ者は25歳の時点で メンタルヘルス化の可能性が40%高まるということだ。

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「Daily Mail」の記事より

 こうした後の人生に及ぶネガティブな影響は、執拗に続くいじめを受けた者、暴力によるいじめを受けた者に、より顕著に現れることも研究チームは報告している。

 子ども時代のいじめについては、誰もが多少は体験する“通過儀礼”のようなものだとして一部では軽視する声もあるのだが、その後の人生に及ぼすこうした影響を考慮すればやはり対策が講じられなければならないのだろう。

いじめの影響は社会的損失にもつながる

 この時期のいじめの具体的な例としては、名前を呼ばれてからかわれる、グループから排除される、脅される、暴力を受ける、持ち物を取られる、などが多いということだ。研究チームは生徒からだけではなく、その親からの報告も分析しているので、より詳細にいじめの実態が把握できたという。そして今回の研究結果として、次の3つを結論づけた。

学校でいじめられることは、学業面に長期的で重大な結果をもたらす。特に失業や メンタルヘルス問題に影響を及ぼす。

●これらのネガティブな影響は、執拗なタイプのいじめや、暴力的なタイプのいじめを経験している生徒の間でより顕著になる。

●今回の調査結果は、より極端な形態のいじめを減らすことに特化したアプローチが必要とされていることを示しているといえる。

 これまでの研究で、有効な「いじめ防止プログラム」がすでにいくつか考案されているという。今回の研究結果はそうした「いじめ防止プログラム」本格導入の必要性を声高に訴えるものになったといえる。

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「Daily Mail」の記事より

 まず急務となるのが、暴力によるいじめ、執拗に繰り返されるいじめを学校からなくすことである。後の人生を左右するいじめの影響が社会的損失にもつながっていることは、当事者だけでなく、すべての人がよく理解しなければならない。