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書籍『いじめ 困った時の指導法40』 いじめ問題で悩んでいる先生へ 中学校教諭のご著書で解決!

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子供のいじめ被害を学校に相談しても、担任教師らが誤った対応を取り続け結果的に状況が悪化してしまう、というケースが後を絶たないようです。

では、保護者ができる効果的な学校への要望の出し方を記すとともに、教師向けに書かれたいじめ指導の本の内容から保護者が学べること等を紹介しています。

 

いじめ解決、教師はどうしたら良いのか

夏休みが終わって1カ月経ちましたが、まだ、学校に行けていないという相談もあります。ある保護者は1学期からいじめを学校に相談していましたが、いじめは止まらず、お子さんは7月頃から学校に行けなくなりました。夏休みに入ってちょっと落ち着き、「今度は学校に行けるかも」と思っていたのですが、学校にいじめ加害者がいると思うだけで、お子さんは腹痛を起こし学校に行くことができません。

いじめが止まって、安心できる学校でなければ、被害を受けている子供は学校には行けません。学校でのいじめを止められるのは先生だけです。ですから、いじめを相談しても、いじめを止めてくれない先生には、保護者の方は、はっきりと「いじめを止めてほしいと伝えることが大事です。

「そんなことまで言わないと先生はいじめを止めてくれないのですか?」と、多くの保護者はあきれます。しかし、残念なことに、「いじめられています。何とかしてください」と保護者に言われても、「しばらく様子を見てみましょう」などと言い、結局は何もしない先生もいます。いじめが止まらないので、再度、保護者が先生にお話しすると、「見ていましたがいじめはありませんでした」との説明。「先生の目の前でいじめをする、いじめっ子などいるはずありません」と保護者は怒り心頭です。

さらには、いじめを増幅悪化させるような対応をする先生もいます。例をあげると、

  • いじめをなくすには仲良くさせることが大事だと、加害者と被害者を隣の席にする
  • 教室で「A君の受けているいじめについて話し合おう」と言って子供たちに話し合いをさせる
  • 加害者たちが言う被害者から受けた迷惑を信じて、双方が悪かったとして、被害者にも謝罪させ、加害者側のいじめを正当化する
  • 「相手をゆるすことも学ばなければいけない」と言って被害者側を黙らせる
  • 学校が何もしてくれないので、「教育委員会に相談します」と言ったら、「教育委員会は私の友達ばかりだから、言っても無駄ですよ」と教頭に脅された

このような非常識な対応をされたという相談がきています。実は、非常識な対応をする教師の中には、保護者からいじめを相談されても、何をすればいじめが解決するのか、わからない先生が少なくないのです。そこで、私たちは、「いじめ被害経緯書」だけではなく、学校への「要望書」という文書を作って、いじめを止めるために、学校に何をしていただきたいのかを明確にお伝えすることをお勧めしています。詳しくはこちらをご覧ください。

教師のいじめ解決の具体的な方法について、『いじめ 困った時の指導法40』(明治図書出版刊)という教師向けの書籍をお勧めしたいと思います。「いじめから子供を守ろうネットワーク」のセミナー等でもお話ししていただいた千葉孝司先生(公立中学校教諭)のご著書です。

「まえがき」で、千葉先生は、読者である先生方に問いかけます。

あなたはいじめ対応に自信がありますか。いじめ対応は難しいものです。隠そうとするものを見つけ出し、被害者の心に寄り添い安心させ、加害者に行動を変容させ、傍観者には、大人に知らせることができるようにさせ、保護者には、被害者側・加害者側双方に納得してもらう必要があります。どれか一つでも大変な難問です。それを同時に行わなければなりません。命にかかわる場合もあります。…(後略)

このように、いじめ対応の難しさを述べたうえで、同書は、

  • いじめの事実を加害者が認めない場合
  • いじめが解消しても体調不良や不登校が続く場合
  • (被害者が)死にたいと口にする場合
  • 加害者の保護者が指導内容に抗議してきた場合

等、教師が、いじめ加害者、被害者、傍観者、保護者等との対応で困った場面を、40例想定して、なぜそうなのか、どうすれば相手の心に寄り添えるのか、相手を安心させられるのか、相手に納得してもらえるのか、教師としてどう支援していくのか等を解説し、さらに、具体的に事例ごとに、教師と、加害者、被害者、保護者等との会話例を、良い例、悪い例で示しています。

また、子供がいじめを訴えた場合の教師の不適切な対応も取り上げています。

  • (教師に)話をきちんと聞いてもらえない場合
  • 被害者の立場を考えずに、教師が加害者にすぐ伝えてしまう場合
  • (被害者が教師から)「自分にも悪いところがあるのでは」と言われる場合

等の事例を挙げて、教師の「いじめに対しての感度の低さ」、「人権意識の低さ」、「(加害者の報復等への)想像力の不足」、「いじめについての根本的な認識の不足」等を指摘しています。教師は、生徒の立場で考える「被害者ファーストの姿勢で、「何があってもいじめは許さない」という意志を示すこと等が述べられています。

「まえがき」の最後で、著者は、

本書で示すアイデアを、教師は子どもにとって最後の砦なんだという気概をもって実践していただけることを願っています。

と結んでいます。教師に向けた書籍ですが、保護者にとっても、子供たちのいじめの実態がよくわかり、さらには、「先生、このようにしていただきたいのです」と、学校への要望としてお伝えできるなど、とても役立つ書籍ではないかと思います。