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「困っている人がいたら進んで助ける人」8割

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いじめはよくない!そのことを小中学生はどこまで認識し、理解しているのか?

 

「困っている人がいたら進んで助ける」8割台

理不尽な形での他人への攻撃を意味する「いじめ」をよしとするか否かは、人として大切な常識で、学ぶべき要素に違いない。小中学生における認識の実情を、文部科学省が2019年7月に発表した全国学力・学習状況調査(※)の結果を基に確認する。

次に示すのは、人が困っている時には進んで助けているかとの問いの回答。具体的な例は挙げずに、概念的な形で尋ねている。「助けるか」ではなく「助けているか」なので、普段の行動を意味することに注意。

 

↑ 人が困っている時は進んで助けているか(学校種類別)(2019年度)
↑ 人が困っている時は進んで助けているか(学校種類別)(2019年度)

 

実際には遭遇した「困っている人」によりけりではあるが、自分が直接手助けができなくても、周囲に助けを求めることはできるはず。そして今件の「助けているか」には、そのような行為も含まれていると見てよいだろう。「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」を合わせた肯定派は小学生で87.9%、中学生で85.7%。困った人を見かけても進んで助けることは(あまり)しない否定派はいずれも1割強の少数派でしかない。

小学生よりも中学生の方が、肯定派は少なめ。特に強い肯定を意味する「当てはまる」の差は6.0%にも達している。中学生の方がより困難な事態に遭遇しやすく、それゆえに助けの手を差し伸べることに躊躇しているのか、それとも単に自分自身が忙しく他人に構っていられないのか。この調査項目だけでは分からない。

肯定派の経年推移を見ると、小中学生とも増加傾向にある。つまり「人が困っている時は進んで助けている」人の割合は増えている。

 

↑ 人が困っている時は進んで助けているか(「当てはまる」+「どちらかといえば当てはまる」、学校種類別)
↑ 人が困っている時は進んで助けているか(「当てはまる」+「どちらかといえば当てはまる」、学校種類別)

 

少なくともこの観点においては、小中学生は少しずつよい方向に進んでいると解釈して問題は無いだろう。

 

9割以上が「いじめはよくない」

いじめはある意味人間の本能に寄るところもあるのだろう。社会生活が多人数の人同士によって営まれる以上、100%確実に無くすことは事実上困難であり、大人の間でも日常茶飯事的に生じ、事件性のある問題にすら悪化してしまうこともある。

小中学生においては少なくともいじめがどのような理由があってもよくないことだとの認識が、圧倒的多数となっている。

 

↑ いじめはどのような理由があってもいけないことだと思うか(学校種類別)(2019年度)
↑ いじめはどのような理由があってもいけないことだと思うか(学校種類別)(2019年度)

 

小学生と比べて中学生でいくぶんいじめの否定意見が弱めになっているのは、多様な経験を得て「どのような理由があっても」の部分で、引っかかるものがあるのかもしれない。

いじめを否定する意見を経年推移で見ると、イレギュラーな動きを示す年はあるものの、小中学生とも否定意見が増加している。中学生では2009年時点でいじめを否定する意見は90.2%しかなかったのはある意味驚きだ。

 

↑ いじめはどのような理由があってもいけないことだと思うか(「当てはまる」+「どちらかといえば当てはまる」、学校種類別)
↑ いじめはどのような理由があってもいけないことだと思うか(「当てはまる」+「どちらかといえば当てはまる」、学校種類別)

 

もっとも、昨今のいじめに関する報道を見聞きする限り、加害者側は多分に、自分の行為をいじめとして認識していない向きがある(言い逃れか本心からの話なのかは不明だが)。「いじめはいけないこと」との認識を持つ小中学生が9割を超えている状況でも、いじめの認識そのものが正しくなければ、いじめを防ぐことは難しい。いじめの明確な定義もまた、正しく学ぶ必要があるのだろう。