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イギリスで議会でパワハラといじめが深刻化

イギリス議会でいじめが問題になっており、その実情を調査した報告書が提出された。

キャリアのために声を挙げられないスタッフ

 イギリス議会では、ここ数年間で議員から事務所スタッフに対するいじめが問題となっており、その実情を調べた調査報告書が発表された。

画像1: キャリアのために声を挙げられないスタッフ

 調査では、議会が雇用したスタッフではなく、議員が直接雇用したスタッフ及び政党が雇用したスタッフを対象に、議員がスタッフとどういった関わり方をしているかを明らかにした。スタッフには研究者、ケースワーカー、秘書やインターン生も含まれる。

 そして発表された報告書によると、イギリス議会では、スタッフに対して怒鳴る、屈辱的な行為をさせる、バカにする、恥をかかせるといったいじめやパワハラが慢性的に起きており、「議員の態度や行動は、スタッフの健康に深刻な影響を与えた」という。

画像2: キャリアのために声を挙げられないスタッフ

 さらにセクハラも深刻であり、スタッフが体を触られたり、性的なことを強要されたりすることがあったという。また、イギリス議会の庶民院では、受け入れがたいレベルの性的な冷やかしや、求められてもいない性的なトピックに関して詳細な話をする様子が確認された。

 しかしこんな現状でありながら、スタッフ側が被害を訴えるケースは少ないそう。その理由は、抗議したらキャリアがダメになるのではないかという恐怖があるから。この調査を率いた主席弁護士のジェンマ・ホワイト氏に、議会で働いているスタッフはこう語ったという。

「議会で政治に関する仕事を得るためには誰を知っているか、誰と関わりがあるのかが重要であるかぎり、私のような、自分の身の安心よりキャリアを取る上昇志向のある若者にとってセクハラは必要悪になってしまうんです」

 彼女の発言を裏づけるように、多くのスタッフが、いじめについて文句を言うことは自分で自分のキャリアをダメにする「キャリア自殺」だと表現したという。さらに報告書は、議会内ではいじめが重大問題だとは認識されていないことを指摘した。

 また、別のスタッフはホワイト氏に、労働環境が自身に及ぼした影響を明かした。

「議員のために働いていた時期は人生の中で1番ストレスが多く、敵意に満ちていました。最後には自己が完全に崩壊していました。事務所で行なった仕事量にかかわらず、自分は無能だと感じました」

雇用において最高のスタンダードを持つべき

 この問題への解決に取り組むにあたり、ホワイト氏は、以下のようなアドバイスをした。

国会議員は、他の一般の職場に沿った雇用慣習と手順を受け入れ従わなくてはならない。
スタッフからの告発は数が少ないため、その他の解決策を模索しなくてはいけない。
議員と議会スタッフ向けの自主参加による雇用研修は、650人の議員中34人、3,200人の議員スタッフのうち135人しか参加もしくは予約していないことから、既存の研修は解決策として機能していない。
これから調査や処分を行なう際は、 過去のいじめや嫌がらせの告発も検討するべきである。

 ホワイト氏は、庶民院の労働環境が良くなければいけない理由を、報告書で以下のように主張した。

庶民院だけがこのような態度に対して沈黙しているわけではないにしろ、ここは(国の)ルールが作られる大元であり、税金によって組織されています。ゆえに、ここは良い労働環境の最前線でなくてはいけません」

 また、スコットランド国民党のピート・ウィシャート氏も、「英国議会は雇用において最高のスタンダードを持つことを志さなくてはいけない」と苦言を呈している。