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化け物と呼ばれ、いじめと差別! 顔に腫瘍の医学博士

志木市立志木小学校の児童らの質問に答える医学博士の藤井輝明さん(右)

 

「無関心はいじめであり、いじめは犯罪です」「どんなにつらくても、辛抱強く生きれば、生きるに値するのが人生です」―。血管にできた良性腫瘍により顔が腫れ上がる難病「海綿状血管腫」を幼少時に発症し、その外見から「化け物」などと呼ばれ、いじめと差別に対峙(たいじ)してきた医学博士の藤井輝明さん(62)=東京都国立市=の講演会が志木市立志木小学校(坂口栄二校長)で開かれた。

 藤井さんは経験から得たいじめとの向き合い方と生きる指針を訴え、同校の全児童約750人が真剣な面持ちで聞き入った。

 藤井さんは東京都出身。2歳ごろに右頬に赤みの腫れが現れる同病を発症。病気に対する偏見からいじめや差別を受けてきた。名古屋大大学院医学研究科博士課程などを修了後、熊本大や鳥取大医学部教授などを経て、現在は講演などを通じ偏見や差別をなくす活動に取り組んでいる。

 講演会は志木小と、隣接する市の社会教育施設「いろは遊学館」との共同事業の一環で、差別や偏見をなくすことを目的にした人権講座「いのちの授業」として企画。1~2年と3~4年、5~6年の3グループに分け、体育館で計3回の授業が行われた。

 藤井さんによると、幼稚園のころから「お化け」と言われるなどのいじめが始まり、小学校では「化け物。学校に来るな」「死ね」などと言われ、通学途中に石を投げられたこともあった。いつも走って逃げていたので、走るのが速くなったが、周りの友達は見て見ぬふりをしていた。

 藤井さんは講演の中で、「辛抱強く、こつこつと生きていくと、つらい人生でも必ず笑顔で語れる時が来る。明日に希望を持って切り開いていくことが大切」と述べ、「顔の膨らみは個性であり、チャームポイント。どんなにつらくても生きていくのに値するのが人生なんです」と強調した。

 そして「お願いです。クラスの友達に元気がないと思ったら、駆け寄って『力になるよ』と言える勇気を持ってください。いじめは見ようとしなければ、見えないんです。無関心はいじめであり、いじめは犯罪なんです」と訴えた。

 さらに、「いろんな困難に出合ったときは『できない』と言ったりしてはいけません。不可能なことはありません。時間がかかっても必ずできます」とポジティブ思考を呼び掛けた。

 講演を聞いた5年の加藤幹也君は「差別や偏見がない世の中にするため、もっと頑張ろうと思った」、6年生の萩原聡太君は「社会で活躍できることがすごいと感じた。今後は困ったときは手を差し伸べていきたい」と話した。