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神村学園通信制問題いじめ報告せず

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鹿児島県のスポーツ強豪校「神村学園」高等部通信制課程のサポート校「淡路島学習センター」(兵庫県淡路市)で学習支援が放置されていた疑惑で、生徒が同級生からいじめを受けていたことを、センターの運営業者が学園に報告していなかったことが8日、関係者への取材で分かった。文部科学省の指導方針に反している疑いもあり、鹿児島県が実態を調べている。(神戸総局取材班)

 淡路島学習センターは昨年4月に開設された学園のサポート校で、業務提携した地元業者が運営。勉強との両立でプロサッカー選手を目指すとうたっていたが、1期生22人のうち10人が同8月末までに辞めた。

■元生徒「2階から飛び降りようと…」

 関係者によると、センターを辞めた元生徒の1人は同4月ごろから同級生に殴られるなどのいじめを受けていた。運営業者も同7月までには元生徒への暴言・暴行があったことを把握したが、学園側には報告していなかった。元生徒は産経新聞の取材に対し、「当時は精神的に参っていた。寮の2階から飛び降りようと考えたこともあった」と明かした。

文部科学省によると、こうしたサポート校など私立学校の関連施設でいじめが発覚した場合、いじめ防止対策推進法などに基づき、法人側が解決に乗り出すよう求めている。取材に対し運営業者は、「生徒や保護者と密に連絡して対応した」と説明したが、鹿児島県学事法制課は「学園による組織的な対応が必要だった」として、学園側に対する調査を進めている。

 学園高等部単位制・広域通信制課程の橋本徳二教頭は、産経新聞が指摘した昨年12月の段階ではいじめを把握しておらず、「生活面は運営業者に任せていた」と説明していた。

 淡路島学習センターをめぐっては、高校卒業資格の取得に必要な教育指導が実施されず、寮などで粗末な食生活を強いられたなどとして、同12月、元生徒9人と親が学園やセンターの運営業者などを相手取り、総額2131万円の損害賠償を求める訴訟を松江地裁益田支部に起こしている。

■毎日親に苦境訴え

 「頭が痛くて寝ることができない」「限界かもしれない」。いじめを受けたとされる元生徒は淡路島の寮を去る直前、毎日のように親に苦境を訴えていた。

元生徒の親によると、同級生数人によるいじめは昨年4月ごろに始まった。「滑舌が悪いからしゃべるな」。当初は暴言にとどまっていたが、そのうち食事の際に殴られたり、すれ違いざまに蹴られたりすることも。同6月には胃腸炎を患って入院。退院後の同7月上旬に親に被害を打ち明け、淡路島学習センターの運営業者にも相談した。

 その後、同級生からは謝罪を受けた。淡路島でサッカーを続けることも考えたが、元生徒は体調が好転しないまま、毎晩のように寮のベッドからSNS(会員制交流サイト)で親に助けを求め、同8月にセンターを去った。

 いじめ問題に詳しい教育評論家の尾木直樹さんは、センター側が日常的に粗末な食事を提供し、学習の機会をほぼ設けていなかった疑惑に触れた上で、「学校法人や自治体の目が届きにくい中で不適切な運営をしているサポート校では、いじめが起きるのは当たり前といえる。良心的な通信制高校に対する世間の信頼も揺らぎかねず、こうした施設をしっかり管理・指導できる体制づくりが必要だ」と訴えている。