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いじめられっこだった過去をもつ、いじめっこママ。

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いじめっこだった私がママになって思うこと

文部科学省が「いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)」を2013年に施行しましたが、それ以降も痛ましい「いじめ」に関するニュースはあとを絶ちません。学校内の子供が起こすいじめだけではなく、教員同士のいじめが大きな社会問題となったのは記憶に新しいところです。

子供だけではなく、大人になっても起こりえる「いじめ問題」。昔いじめっこだったというママは、大人になった今どんなことを思うのでしょうか。現在の育児方針についても伺ってみました。

「いじめられっこ」だった「いじめっこ」ママ

「私のしてきたいじめ…気に食わない子を徹底的に無視するようなやり方でした。罪悪感ですか? 当時はなかったですね」そう話すのは、5歳の子の母親であるSさん。Sさんの父親は転勤が多く、幼少時は引っ越しを繰り返していたといいます。

実はSさん自身もいじめられた経験があるそう。転入先の幼稚園で、『よそ者は仲間に入れない』と言われたり、絵本を投げつけられたりしていたものの、それを見ていた先生や、相談した母親は助けてくれなかったといいます。そのうち、いじめられる状態が「当たり前」となってしまったSさん。気に食わない人間はいじめられても仕方ない、という認識に至った経緯はここにあった、と振り返っていました。

自身の「いじめ行為」が問題化

小学校に上がったSさんは、気に食わないと思った子に対して、無視をしたり消しゴムを投げつけたりするようないじめ行為をするようになったといいます。当時は引っ越しが多かったせいか表沙汰になることがなく、自分の過ちに気づかないまま成長していきました。

しかし中学に上がったころ、いじめ行為が問題化。Sさんを中心とした数人が1人の女子生徒を無視し続け、不登校になってしまったのです。

「先生に呼び出されて話を聞かれましたが、私は彼女を殴ったり水をかけたりしていたわけではないので、何もしていないですとこたえました。そのときは、先生の言うままに謝罪の手紙を書いたのですが、正直納得していなかったです」

Sさんの謝罪を受け入れて、いじめられた女子生徒はまた学校に戻ってきたそう。しかしSさんがまたその生徒のことをいじめるようになると、今度はクラスが結束。いじめられた生徒を守り、Sさんに反省を促すようになったといいます。

「どうして私のときは誰も助けてくれなかったのに、この子のことは全員が守ろうとするのだろうと思うと、より一層腹立ちました。当時は服装も言動も荒れていましたね」

それからはクラスで浮いた存在になっていたというSさん。その後の進路は、クラスメイトが通わない遠方を選んだそうです。

大人になっても人間関係が築けなかった

しかしSさんはいじめ癖が抜けず、社会人になっても相手を無視したり、きつい言葉をかけたりする傾向があったといいます。結局職場でもよい人間関係を築くことができず、長続きすることはありませんでした。

30代に入り少しずつ気持ちが落ち着いてきたころ、ようやくこれまでのいじめ行為について向き合えるようになったといいます。しかし、Sさんは今もいじめをしてしまったことを謝れず、きっとこの先も胸にしまったままだろうと話しました。Sさんはこう続けます。

「海外では、いじめの加害者にもケアをすると聞きました。私も早めにケアを受けられていたら、こじらせることもなかったのかもしれません」

アメリカのバージニア州では、いじめの加害者生徒に感情のコントロールに関するカウンセリングを受けさせたり、共感トレーニングを施したりするといいます。またイギリスでは、加害者の親に子育て講習を受けさせ、拒否すれば罰金を科すこともあるそうです。日本では、加害者に対して根本的なケアやサポートはされていないのが現状ではないでしょうか。

母になって思うこととは…

そして今、Sさん自身も母になりました。子供に対し、いじめについてなんと言い聞かせているのか伺ってみました。

「私が言っても説得力はないかもしれませんが、子供が悪いことをしたり、されたりしたときは、必ずしっかり話し合ってどうしたらいいのかを確認しあっています。子供には正しいことを判断できるようになってほしいし、助けの求め方も覚えておいてほしいのです。私のようにならないよう、責任をもって育児しているつもりです」

Sさんのように、心にしこりを抱えていじめを起こしてしまう子供は多いのかもしれません。そのような子供を放置していて、いじめ問題は解決するのでしょうか。被害者をケアすることはもちろんですが、いじめ加害者の環境改善やメンタル面でのサポートをすることも、いじめ撲滅の大切なファクターなのかもしれません。