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「私は脱北者」いじめ、孤立、6歳の餓死

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韓国で暮らす北朝鮮からの脱北者は約3万4千人にのぼる。政府の支援策が必ずしも十分ではなく、社会で孤立しがちになっている。

 

中国で売られた花嫁

「死線を越え、より良い暮らしを求めて来た脱北者の母子が餓死」

昨年、韓国メディアは、ソウル市内に住む脱北者の女性(42)と次男(6)がアパートで亡くなっていた事件を伝えた。水道は料金滞納で止まり、冷蔵庫には唐辛子の粉しかなかった。

ある脱北者によると、女性は中国に逃れてから朝鮮系中国人に結婚相手として売られ、長男を出産。

韓国に移り住んだ後、夫を呼び寄せて次男を出産した。いい仕事に就けない夫が長男を連れて中国に帰ったため、次男と暮らしていた。

この脱北者は「行政の目も届かず、2人は社会の中で孤立してしまった」と悔やむ。

韓国に亡命した北朝鮮の元駐英公使、太永浩(テヨンホ)氏は2月の記者会見でこの母子に触れ、「担当官庁の大臣や公職者は誰も、どう助ければよかったのか言及すらしない」と指摘。南北関係を重視する文在寅(ムンジェイン)政権が北者支援に及び腰だと批判した。

脱北者の存在は「一足先に訪れた未来」と言われる。統一が実現すれば二つの社会の統合が課題になるからだ。だが学校や職場で脱北者は避けられがちだ。70年近い分断を経て「互いに異質感を抱く存在」(脱北者男性)になっている。

ある脱北者の女性は猛勉強して看護大学に入ったが、在学中は脱北者とは誰にも言わなかった。「いじめに遭うから」だ。